樋口婚(切腹婚)のすすめ#5そうだ!切腹しよう!\(^o^)/
この物語は、バナナがポッドキャストを通じて愛を知り、幸せに気がつくノンフィクションストーリーです。
2021年1月
マスター(相方)とポッドキャスト番組の打ち合わせも済み、とても大げさに言うと、生きる意味みたいなものができ、迎えた正月の朝
私は35歳になった。
予定も特に無く
「今日は自分への誕生日プレゼント代わりに、まだ聞けてない愛の楽曲工房を聞いてすごそう」
と、コメダ珈琲に行った。
コメダ珈琲は初詣帰りや帰省した友達と語らっている人で意外にも混んでいた。
そんな中、モーニングのパンをかじりながら
ついにあの回を聞いた。
聞き終わった時、おなじみのEDソングを聴きながらあふれ出た感情は、いつものそれとはまったく違っていた。
樋口さんが幸せそうに皆からお祝いのメッセージをもらったり、奥さんからの愛あふれる言葉をもらったりしてうれしそうにしているのを
正直、心からお祝いできなかった。
うらやましい。情けない。
いつまで私は、「このまま」なんだろう
20代の頃に想像していた35歳って
もっと大人で
もっと経済的に自立してて
家庭を持ってて
仕事をバリバリできて
どれか一つでもいいから、できていたかったのに
自分には何にもないと突きつけられたような、惨めな気持ちになった。
・・・いや待て
樋口さんはそれ相当の努力をしたから手に入ったんだ。
私は「できなきゃ死ぬ」と心から決意し行動したことが、今まであっただろうか。
諦めたり、逃げたり、中途半端になげだしたりしてきたから
今一人コメダ珈琲でパンかじってるんじゃないのか
樋口さんがこの回で最後、「全部真似しなくても、何か刺激になったりとか、やり方をちょっと参考にしてもらったりとかは明確に計画としてあったので・・・」って言ってた。
これって「俺だからできた」じゃなくて
「誰でもできるんだ」と伝えたいのかもしれない。
私でもできる・・・?
私もこの状況からかわりたい・・・
幸せになりたい。
よし。決めた。
「35歳のうちに結婚できなかったら、切腹する」
そうと決めたら入籍日決めなきゃ。
樋口さんは誕生日後の免許更新から最速の友引でって日程きめてたから、私は35歳最後の友引にしよう・・・
35歳最後の友引は・・・12月31日かあ・・・
年末だし、もし何かあったら対応が遅れるし、それで間に合わなかったら切腹やけん避けたいな・・・
その前の友引は・・・12月25日。クリスマスか・・・
クリスマス・・・
「入籍するならいつがいい?」
女子はよくこの手の会話するんだけど、その時私は必ず「クリスマス」と言っていた。
だって絶対忘れないし、町中お祝いムードでなんか楽しいじゃん。
鳥肌がたった。
この日しかない。
手帳の12月25日に愛と心臓を意味する「♡」を書いた。
不思議と心が落ち着いた。
クリスマスまでに状況変わらなきゃ人生終わるんだしと思うと、なんだか楽になったからかもしれない。
とはいえ絶対切腹したくないから、クリスマスの100日前の9月16日に○を書いた。
この日までに結婚できる相手が見つかっていない場合、お見合いサイトに登録して、誰でもいいから結婚することに決めた。いわば事前締め切りだ。
私はドMで尽くすタイプだから、どんな人がきても愛せる自信があるし。
その後別れることになっても、それも人生の経験になるって樋口さんも言ってたし。
まあ100日あったらなんとかなるだろ。
この事前締め切りまでは「誰でもいい」じゃなくて、頑張ってみよう。あがいてみよう。
樋口さんの言う通り、神様に「私」を人質にとって「運命の人」を引き寄せてみよう。
冷めたコーヒーを飲み干し、Googleに「徳島 婚活」と打ち込んだ。
(続く)