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20年のありがとうと、初めましてのありがとう

書きかけてほったらかしになっているものを、なんとかきちんと書き切ろうと思い立ったので、ほんのり前のお話である。

1/28、「ひろがるスカイ!プリキュア」のお話が一旦、幕を閉じた。ほとんど大人になってから始まったシリーズだったから、子供を持ってようやく、人生で初めて観たプリキュアだ。
おおよそ一年前、第一話を観た時点で、どかんととりこになってしまった。キャラクターデザインがあまりにツボで、みんな可愛くてかっこよくて、シンプルな勧善懲悪でなく、回を追うごとにみんな悩みながら考えながら戦って、何度こっそり泣いたかわからない。
結局しっかり映画「プリキュアオールスターズF」も観に行ってしまったし、映画のパンフレットも特集雑誌も買っちゃったし(一冊だけ)、全プリキュア展も観に行ってしまった。
映画もプリキュア展も、もちろん子供の行きたい意思を確認してから出かけたわけだけれども、なんというか、うっかり私の方がハマっていたかもしれない。

全プリキュア展に行った時のことを少しお話しようと思う。
全プリキュア展は、過去20年の、これまでの全てのプリキュアシリーズについての展示イベントだ。
横浜からスタートして全国を回り、最後に再び、少しパワーアップして横浜に戻ってきたのだ。
横浜だったら十分行ける範囲なので、前日に慌てて予約を取って行ってきたのだけども、実はちょっと驚いたことがある。待機列をつくる来場者を見てみると、家族連れというより大人の方が多い。よく考えれば、もう20年続くシリーズなんだから、「今観ている子供」の方が少ないのは当たり前である。

会場では、歴代のプリキュアについて、アニメ作画に関する絵コンテなんかとか、当時発売されたグッズとか、ずっとシリーズを追いかけてきた人たちや、子供の頃大好きだったという人たちからしたら、懐かしくて眩しいであろう宝物たちがたくさん展示されていた。
そして、決まった時間ごとに、キャラクター達が会いにきてくれるキャラクターグリーティングも催されていたのだけども、これからプリキュア達が通りますよとアナウンスがあり、通路を作って待っていたときのことだ。すぐそばにいた、多分20代くらいの女の子達が、こんな話をしていたのが聴こえてきた。

「どうしよう、推しに会える!」
「やばい……震えてきた」

ああ、と思った。
彼女達にとって、プリキュア達は、大人になってもヒーローで、大好きで、大事な存在なんだ。会えて嬉しくて、泣いちゃいそうなくらい。
嬉しいは嬉しいなんだけど、そんなシンプルな言葉に置き換えるには、強すぎるエネルギーだ。だって、ずっと大好きな、会いたかった人に会えたんだもの!その日のことを思ったら、きっと色んなことを頑張れちゃうんだろうな。そう思ったら、隣で勝手に胸がいっぱいになって、一緒に嬉しくなった。彼女達みたいな人がたくさんたくさんいて、この先も、大人も子供も、勇気と元気と笑顔と大好きをいっぱいもらうのだろう。

2月からは、新しいシリーズ「わんだふるぷりきゅあ!」が始まっている。今度は、動物とか人とか、生き物たちの関わりがテーマのようで、これまた面白くてすごく可愛い。ひろプリロスに見舞われるのでは……とちょっびり思っていたのだが、案外全然平気だった。でももし、またもう一度ひろプリのみんなに会えることになったら、私はきっと嬉しくて、ちゃっかり子供を口実にそこに行くに違いない。いやもう、子供を口実にしなくても多分行く。

好きなものが増えるというのは、色々悩ましいことも増えるけれども(主に財布の中身とか)、圧倒的に幸せなことだ。
20年、続いてくれてありがとう。
新しい大好きを、新しいヒーローを、ありがとう。

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