読書感想「家族シアター」

なんとなく辻村深月さんの本が読みたくて、図書館でみつけた「家族シアター」を読んだ。

妹と姉、弟と姉、母と娘、父と息子、姉と妹、祖父と孫、父と息子を中心とした家族。
そんな7つの家族にまつわる短編集。

家族だからってなんでも分かり合えるわけでは当然ないし、近いからこそいやになったりすることもある。

兄弟姉妹の、親やまわりから悪意なく比べられてコンプレックスを感じて、私はあんな風にならないと突き放すように強がってみたり、そのくせすごく意識して傷ついていないか気にしてみたりするあたり、リアルだなぁ。

親や祖父からの子どもへの感覚は私にはまだわからない。
どちらかと言うと、なんでそんな自分の感覚を押し付けるんだろうと、子ども目線でイラッとしてしまう。
けれど、大事に思っているのに子どものことを理解しきれずに悩む姿は、もしかしたら子どもの頃、親の言うことがわからず反抗してしまったときの私を見る親の姿に重なるのかな、と思ったりした。

家族だから仲が良いとは限らないし、すれ違うことはたくさんあるし、近いからこそ傷つけてしまうことだってある。
それでも、家族という特別な存在で、大事に思うんだよなぁ。

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個人的に、好きなのは「孫と誕生会」、印象に残っているのは「タイムカプセルの八年」だな。

タイムカプセルの八年の、身勝手な父親なのにタイムカプセルのために動いて、その結果息子が付き合うくだりは、父親の思いが実を結んだかんじでうるっときて、一気にこの話が印象的になっちゃったんだから、ずるいと思う。

#本 , #読書感想 , #家族シアター , #辻村深月