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ひとしずく

近所の「カフェ」と言いつつ、がっつりイタリアンなお店に時々立ち寄る。

そこは例の期間中も果敢に24時までアルコホールを提供しており、おデートスポットという土地柄もあってか、私が見る限りにおいては広い店内が常に満席に近い状態である。

中世ヨーロッパを模したインテリアと広々とした雰囲気が気に入っているのだが、いかんせん繁盛店でたいがい何組かはウェイティングが掛かっているので、散歩の途中にそぉ~っと覗いて混み具合を確認し、すぐに入れそうな時だけ中まで進むことにしている。

私が広くて解放感があるお店が好きな理由は自分の存在感が薄まるような気がして落ち着けるというのと、距離感近めのお店で面が割れると勝手にちょっと気まずさを覚えてしまうというのがあるからなのだが、ある時そのお店のホールスタッフのお若いお姉さんから「お久しぶりです!」と声を掛けられた。

反射的に「ヤヴァイ・・・憶えられとる」と軽くキンチョーが走るも、「ありがとうございます。私のこと憶えていてくれたの?」と訊くと、「もちろんです!お待ちしてましたよ」と、きっと人と接するのが大好きなのだろうなぁという、とても自然でイイ感じの彼女のVibsが伝わってきて、こんな時いつもだったら「気疲れ≧喜び」の割合で感じてしまう私の癖が「喜び>just a little bit 緊張」ぐらいに逆転したのであった。

その回以降というもの、転勤族で近所に知り合いもいない身の上の私は彼女に出会えると、二言三言おしゃべりしてほっこりしている。

あのように毎日見知らぬ人と明るく愛想良くお話することはご本人にとっては通常運転なのだろうけど、それによって癒されている人は多数いて、それは波紋のように広がっていく世界平和の最初の一滴にもなり得るものではないかと思う。(なぜすぐに世界平和に結びつけてしまうのだろう・・・)

自分も彼女のように何か世の中のお役に立てているのだろうか。ホヨヨ?

太陽を生きている人は世界を救う。








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