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自作ボドゲのコンポーネントを減らしたい。

コンポーネントを減らすメモ

 コンポーネント(component)は「部品」「構成要素」を意味する英単語で、ボードゲームにおいては主に駒、チップ、サイコロなどのゲームに使用する周辺アイテム・グッズを指す。
 コンポーネントが充実していることで沢山のアイテムを使う楽しさが演出されたり、ゲームの理解度の向上を助ける効果が期待できる。
 その反面、コンポーネントを動かしたり使用するために時間がかかったり、コンポーネント自体の紛失・不備のリスクがあるなどマイナスの面もある。

 私自身コンポーネントを沢山使いたい・使わせたい欲求もあるが、やはり自分の作るゲームに関してはできるだけカジュアルに遊んでもらいたい(それから制作のコストも抑えたい)と考えている。
 少ないコンポーネント(付属品)で作れるゲームのアイディアを練ってみる。

ルールをシンプルにする

 そもそも、コンポーネントに頼らないルールを作れるならばそれが良いのかもしれない。
 体力など何らかの値を記録・カウントしたり、ランダムな数値を求めることさえしなければ、そのための周辺アイテムは不要になるわけだ。

 しかし、色々な要素をそぎ落としていった結果ゲームルールがシンプルになりすぎる可能性、あるいはプレイヤーに不便を強いる可能性がある。

 道具を使わない指示を出すのは簡単だ。
 しかし、複雑なゲームルールの中で補助アイテムに制限をかけてしまうと、プレイヤーにストレスを与えることになってしまう。

 ちょうどこのギリギリのラインにあるゲームが『人狼ゲーム』だと思う。チーム分けした人狼陣営と人間陣営の目標設定、昼と夜の各ターンにおける各陣営の行動などが基本のルールとして設定されている。ここに特殊な役割を持つ役職を増やしたり、新しいアクションを要求するようになるとルールが複雑化し、ゲームの流れに着いてこられなくなるプレイヤーが出てきてしまう。

 複雑化するルールに対して、カードを使用するという方法が最も効果的な解決策となる。口頭で伝えていた情報やルール、アクションの指示を全員もしくは特定の人に対していつでも参照できるメモ形式として伝達することができる。

じゃんけんをする

 じゃんけんは簡単にある程度のランダム性と競技性を与えることができる手段だ。じゃんけんの勝ち負けの2パターン、もしくはあいこを加えた3パターンの結果から分岐する展開をゲームの進行に加えることができる。統計では出す手に偏りがあることがわかっているが、お互いに出す手と結果はランダムである。

 注意点として、ただじゃんけんをするだけのゲームにならないよう基幹システムとのバランスに気をつけなくてはならない。

 過去に制作したじゃんけんTCGでは、カードの効果(ゲームプレイング)よりも各ターンのじゃんけんの勝敗が大きなウェイトを占めていたためシステムにおける主従が逆転してしまっていた。

カードに役割を持たせる

 カードを使用するゲームシステムにおいて、ゲームデータを持つカードに他の役割を与えることでコンポーネントを減らすこともできる。

 ひとつに、特定のエリアに置かれたカードを「カウンター」として活用する方法がある。
デュエルマスターズの「シールド」の概念は、シールドゾーンに置かれたカードをすべて失った状態で攻撃されたプレイヤーは負けというルールで、ライフカウンターのような役割をカードが持っていると言える。またポケモンカードゲームの「サイド」も先にサイドカードをすべて取ったプレイヤーが勝つというルールでカウンターとしての役割を持たせている。
 専用エリアから取り除いたカードを手札に加えたり、取り除く行為を対象とした効果を容易できたりと戦略に組み込みやすいのも強みだ。

 もうひとつの例としてボブジテンを挙げる。
 『ボブジテン』は山札から引いたカードに書かれた6つのカタカナ語のうち1つを日本語だけを使って他のプレイヤーに説明するゲームだ。カードに書かれたお題のカタカナ語には1から6までの数字が振られていて、山札の先頭にあるカードの裏面に書かれた数字によって説明する単語が決定する。
 個人的にこのカードは非常に革新的だと思っていて、シャッフルされた山札のカードの前後の組み合わせはランダムで、1枚のカードに6通りものパターンが存在する。つまりサイコロやルーレットのようなランダム性をカード自体に持たせ、かつカードの総枚数を1/6に削減することに成功しているのだ。
 ただし、この方法は裏面の絵柄によってカードが特定されると不正ができてしまうようなゲームには向かないので注意したい。

スマートフォンを使う

 スマートフォンという文明の利器を活用するのも手だ。
 メモ機能やタイマー機能のほか、web上でダイスロールを行うこともできる優れものだ。近年では代替品としての利用ではなく、専用のアプリケーションを用いてVRやARと組み合わせた遊び方もできるようになってきており、遊びの幅を広げボードゲームを進化させるアイテムとしての立ち位置を確立しつつある。

 問題点を挙げるとすれば、コンポーネントの代替以上の機能を求めると敷居が高くなってしまうこととゲーム中の充電の消費、(参加予定がなければ気にしなくてよいが)電源を使用しないアナログゲームを対象としたイベントであるゲームマーケットへの参加が認められない可能性がある。

おわりに

 ここまで思いつく限りのコンポーネントを減らすアイディアを実例とともに書き連ねてみた。もし他に方法があればぜひともコメントよりご教示願いたい。
 ボードゲームはアイディア次第で複雑にもシンプルにもできるものだ。
 手軽に遊べて楽しいゲーム作りを目標に私はゲームを作っていきたい。

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