14. ペイントの種類でディジュリドゥを選ぶ2
経年変化と共に色あせていくチベットの砂曼荼羅のようなオーカペイント
個人的にはシンプルなペイントであってもオーカで描かれているディジュリドゥが一番クールに感じます。ユーカリの木と岩絵具という自然の中に存在する素材だけで作られているというテイストを強く感じさせるからです。また、画家自身もわざわざ手間のかかるオーカで描くのだから気持ちがのっているんじゃないかなと感じます。
ボディペイントにオーカが使われる時には時間をかけて丁寧に描かれたアートも、チベットの砂曼荼羅のように最終的には水で洗い流され消されてしまいます。現在ではディジュリドゥをペイントする際には木工用ボンドを混ぜるようになって、ある程度定着する力が強くなっていますが、特に手が触れる部分を中心に全体的に徐々に色が薄まっていきます。
オーカペイントの楽器を選ぶということは、そういう経年変化も含めて楽しんでいくような心持ちが必要なのかもしれません。荒技になりますがオーカの上から木工用ボンドを塗るという方法もあります。その場合ペイントはしっかりと保持されますが、ツヤツヤの表面になります。
しっかりと定着してはがれにくく色あせにくいアクリルペイント
アクリルペイントのいい所は定着性の高さと色あせが少ないという点です。擦ったりぶつけたりしない限りペイントはなかなかはがれません。色褪せも少なく、どちらかといえば汚れを吸着して鮮やかさが弱まるという感じです。現地と同じアクリル絵の具を使えばレタッチもしやすいので、扱いに繊細さが不要で気楽なところが優れた点でしょう。
このようにはがれにくいゆえの扱いやすさ、レタッチのしやすさからくる修理のしやすさがあることで、それぞれのアーティストの特徴を感じるペイントがされたディジュリドゥを楽しみやすいのがアクリルペイントでしょう。
テープを巻いたり、色を塗ったり自由に扱えるノーペイント
ノーペイントの楽器は買った本人が忘れてしまうと製作者を特定しづらいのが一番困る点ですが、それを気にしないなら一番ラフに扱えて修理も気楽にできます。最終的にアボリジナルの人たちがするようにテープを巻く、という人にはノーペイントがベストでしょう。
現地のディジュリドゥ奏者たちが自分用に使う楽器のほとんどがノーペイントの楽器にテープぐるぐる巻き、あるいは1色ベタ塗りの場合が多いです。あの著名なディジュリドゥ・マスターDavid BlanasiのプライベートMagoも赤一色で塗られていたそうです。自分の手元で好きな色を塗るのもいいですよね。
ディジュリドゥに描かれるアートもアボリジナルが作るオーセンティックなディジュリドゥを選ぶ時の重要なポイントです。ペイントの種類を知って自分の好みや性格にフィットする楽器をチョイスするのもいいですし、手にした楽器のペイントの種類に合わせて扱い方を変えて付き合ってみてください。
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