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楽しい日にはならないと思いながら過ごした日。

こんにちは。バンブーマンです。

先日、仲良くしてもらっている中学時代の野球部のA先輩から
「同じ中学のメンバーで草野球やるから来ないか」という誘いを受けました。友達が少ない僕には大学に入っても仲良くしてくれるA先輩の誘いを断る理由などなく、迷わず行く旨を伝えました。


当日、待ち合わせ場所に行くとその先輩が申し訳なさそうな顔で立っており、話を聞くと僕を誘ったことを部活時代のキャプテンでその試合を主催している先輩に言うと怒っていた、今からなら行かないことも出来るけどどうするか、とのこと。そのキャプテンが部活のころから僕のことを良く思っていないのは知っていたし、お互い大学生なのでそんなに人前で嫌悪感をあらわにして空気を悪くすることもしないだろう、と伝え、二人でグラウンドに向かいました。


程なくして到着し、僕たちは参加するチームのベンチに入った。すると開口一番キャプテンがA先輩に対して
「お前、マジふざけんなよ、後でお仕置きな」
と嫌な笑みを浮かべながら言ったんです。
その瞬間、その日が楽しい日にならないことを理解し、早くも駅の段階で帰らなかったことを後悔しました。


そこからキャプテンは露骨に僕と目を合わせず、僕が声をかけても徹底的に無視をして、もちろん僕を試合のメンバーにも入れるわけもなく僕を「ないもの」として扱ってきました。そんな状況下でのふるまい方として思い浮かんだ選択肢は3つ。

1.すぐに帰る。
2.こちらも嫌な態度を取ってその場全体の空気を悪くする。
3.何も気にしていないふりをして楽しそうにふるまう。

基本的に露骨な嫌がらせをしてくる奴というのは相手がつらそうにしているに一番の快感を覚える。そして何よりA先輩が気まずくならないようにしなければいけない。それらを考えると、僕の取りうる選択は3。

そして試合中、ベンチでひとり試合を見ながら思うことはもちろん大学4年生になってもそんな中学生のような嫌がらせをしてくるキャプテンの来年からの社会人生活および人生の失敗の想像と祈願。そんなことを考えてニヤニヤしているうちに回は進み、イニングは8回。するとそのタイミングでチームの一人が帰り、人数が足りなくなりました。
試合を続けるには僕を入れなけれなりませんが、そこまでしたんなら僕を入れずに8人で守るのかな、そこまでするなら逆に清々しいし ただの「なんか嫌い」ではなく明確な理由があるのだろうと思えるな、なんて思いましたが、そんなことはなく彼は僕をその回から守りに入れて試合は続きました。そして8回を0点で抑え、2点ビハインドのまま最終回の攻撃。変わって入った僕の打順は9番でその回の攻撃は打順は8番から。先頭打者の打席を見ながら僕が考えることは言うまでもなく「打席で何をすればキャプテンが嫌がるんだろう」ということ。

1.ヒットを打つ。
2.ファールで粘って時間を使う。
3.予告ホームランからのセーフティバントという新庄さんのやつ。

野球においてヒットを打てる確率なんて一流といわれる人でも3割。ヒット狙いで初球から振って内野フライにでもなったら最悪。何より僕が楽しそうなところを見せるのが一番の反撃になる
かといって新庄さんのやつは人気者がやって、みんなから突っ込まれて成立するものであってベンチでずっと一人でいたやつがやったところで変な滑り方をするだけ。そんな僕に残されたのはめちゃくちゃ粘って、相手ベンチとバッテリーの苦笑いを誘って楽しい空間を作ること。

腹が決まった僕は少しでもカットをしやすくなるように打席に入る前に相手ピッチャーの球を一球でも多く見たかったので、前のバッターが早打ちで凡退しないことだけを願いながら見ていました。そんな願いが届いたのか彼はフルカウントまでいき、その後もファールで球数を誘ってくれました。

しかしそのあたりからあろうことかその8番バッターの粘りでベンチが盛り上がり始めたんです。
「あなたがそれをしたら僕が粘ったときに盛り上がりが薄れる!」
それまでの早打ちしないことを願う僕の気持ちはどこへやら、今度は早くそいつの打席が終わることを祈りました。そんな僕の思いをよそに彼はそのあとも粘り続け、両チームのベンチは大盛り上がり、そんな中 僕は一人焦って必死に次の策を考えていました。

するとキャプテンがベンチから僕に聞こえるように「今8番だから、4番の俺まで8、1、2、3だから2人出れば回ってくんのか」と言いました。守らせるだけ守らせて、打たせるつもりはないよ、というキャプテンとっておきの嫌がらせを食らわせてきたのです。ただ、打席で何をするか何にも浮かんでなかった僕にとっては、朗報以外の何物でもなく、心の底から
「ありがとぉ~~~~!!!!」
と思い笑顔でガッツポーズをしながらベンチに戻りました。そんな僕の反応を見てキャプテンは少し驚いたような表情を浮かべた後、悔しそうにしていました。
結果的にキャプテンの嫌がる顔が見れて、僕はそのいい気分のまま試合を終え、ダメ押しでキャプテンに聞こえるようにA先輩に
「今日楽しかったです!誘ってくれてありがとうございました」と言って
意外と楽しい日になったな~なんて思いながら勝ち誇った気持ちでグラウンドを後にしました。

そんなこんなでなんだかんだ気分良く帰りの電車に揺られながら、今後は自分が仲のいい人たちとやろうと思ったのですが、友達の少ない僕に休みの日に遊びに誘える人なんて多くて4人。野球なんてとてもじゃないけどできないですよね。
あとあと聞いたらその日の試合、相手チームもキャプテンが集めたらしいんです。キャプテン友達多すぎない?なんであんなことしてくる人には友達がたくさんいて僕にはこんなに少ないんだろう。

結局 嫌な気持ちで一日を終えました。

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