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雇用調整助成金はいつまで続く

株式会社ジェー・シー・プラス社員yamamotoです。

仕事で「雇用調整助成金」の書類を作成しています。

「雇用調整助成金」は経済上の理由で、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する助成金です。

これは前からあった助成金ですが、コロナが流行りだしてから、メジャーな助成金となりました。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)が発表されたのが確か、2020年の春先だったと思います。

ということは、特例が始まって、もうまる2年ほどたつことになります。

早いですね!

はじめてこの助成金を取り扱ったときは制度がややこしくて苦戦した記憶があります。

もう2年ほど毎月(申請は1賃金締め切りごとに行っています)申請書を作成しているので、ルーティン作業になっています。

しかし、よく制度のマイナー変更や、申請書様式が新しくなるので、毎月作成前には変更がないか、厚生労働省のサイトをチェックしています。


これを申請するにあたって「休業手当」を理解しておく必要があります。

「休業手当」は労働基準法に定められていて、「使用者の責に帰すべき事由」=企業の都合、で従業員が就業できなくなった場合、平均賃金の60%以上を事業主は労働者に支払わなくてはなりません。

平均賃金は基本的には

事由の発生した日以前の3カ月間に支払われた賃金総額 ÷ 計算した3カ月間の総日数(暦日数)

で算出するのですが、いろいろルールがあって、少々面倒くさいです。

なので、事業主はどうせ助成金が出るなら60%、と言わず、100%支払うか!となるでしょう。

ですが、休業手当全てを助成金がカバーしてくれるわけではないので、注意が必要です。

助成率は必ずしも10/10ではないし、上限額があります。

それから、小規模事業主(従業員の数が概ね20人以下の事業所の事業主)は、実際に支払った休業手当等の額により助成額の算定を行うか、平均賃金による算定を行うか、選べます。平均賃金による算定は、中小企業事業主が行う算定方法です。

どちらもシミュレーションしてみて、より助成額が多い方法を選びたいですよね。

でも、いちいち細かい数字を書類に当てはめて算出しなければならず、もうめんどくさいから、簡易な方(実際に支払った休業手当等の額により助成額の算定を行う方)でいいや、となってしまいがち。

時間があれば両方シミュレーションしてみましょう。

さて、いろいろ説明しましたが、何をお伝えしたかったかと言うと、「事業活動の縮小」とはなんぞや!ということ。

これは売上高や生産量が前より減った、ということ。

休業を開始した月(その前月または前々月でも可)の値が1年前の同じ月に比べ5%以上減少していれば申請できます。

なお、1年前の同じ月と比較して要件を満たさない場合は、2年前との比較も可能でした。

※そのいずれとも要件を満たさない場合、休業した月の1年前の同じ月から休業した月の前月までの間の適当な1か月との比較が可能です。


それが令和4/3/22にアップされていたガイドブックによると、売り上げや生産量の比較が3年前の同じ月との比較も可能になっていました!

3年前までさかのぼらないとコロナ前の売り上げや生産量と比較できない、ということ。

それだけこの「雇用調整助成金」が長く続いているのだな、と実感した次第です。

この助成金で資金が枯渇したせいなのか(?)今年度より雇用保険料率が上がりました。

また、この助成金は延長、延長していて、これがあるせいで雇用の流動性が低下している、という批判記事も読みました。

いつまで続くのか「雇用調整助成金」。

もう2年、ずっと助成され続けている企業にとっては“あてにしてしまっている”収入ですよね。

なるべく早く、コロナに負けない新しい業態を作り出し、自立できるようになりたいもの。


個人が失業したときの基本手当(いわゆる通常の失業給付)に似ています。

基本手当も決まった期間しかもらえません。

受給期間が終了するまでに就職先を決めて、自分で稼げるようにならないといけないのです。

いつまでも行政の支援に甘えているわけにはいかないのです。

そこがなんだか、雇用調整助成金と基本手当(いわゆる通常の失業給付)は似ていますね。

みなさんの会社はコロナ前の売り上げ水準に戻っていますか。


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株式会社 ジェー・シー・プラス

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<株式会社ジェー・シー・プラス(JCP)代表>

小池梨沙

<株式会社ジェーシープラスゆのき。主にウェブ関係担当。ジョブコーチ>

ゆのき@障害者と働こう!株式会社JCプラス