学校一の中日ファンとしての責務
学校一のドラゴンズファンの称号を手にした以上、その責務を果たさねばならなかった。やるべきことはふたつ。常にドラゴンズの動向に注視し情報を仕入れておくことと、ドラゴンズファンを増やすことである。
今のようにインターネットのない時代。日テレ系の中継もない私の町で見れるのは、ナゴヤ球場の中日vs巨人戦の13試合である。これでは圧倒的に情報が足りない。なんとかしなければならなかった。そこで母に頼み、月刊ドラゴンズの定期購読にこぎつけた。金沢遠征でやってきた中日vs阪神の試合は父に頼み友達2人も同行させ、ドラゴンズファンに取り込んだ。夏休みは極力母の実家のある愛知県で過ごすことにし、毎晩ドラゴンズのテレビ中継に興じた。母の実家では毎朝お使いと称しコンビニへ走り、中日スポーツを買ってきた。そして、父親の職場旅行がナゴヤ球場での野球観戦という奇跡的な行程となり、二つ返事で同行した。ナゴヤ球場では、相手の阪神・掛布雅之がホームランを放ったが、少し前まであれほど好きだった掛布雅之のホームランに悔しさしか残らなかった。それほどまでに熱狂的な中日ファンになっていた。シーズンは2位に終わったが、ドラゴンズに明け暮れた一年は最高の充実感を私に与えた。
余談だが夏休みのある日、兄とナゴヤ球場の二軍戦を観に行った。その日は近藤真一が南海ホークスを完封で退けた。その近藤、直後に一軍昇格を果たすと、初登板となった巨人相手にノーヒットノーランを達成してみせた。