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キャッチャー誕生?

1年生だけの練習といってもキャッチボールと素振りをするくらいのものだったと思う。その素振りをしている時だ。ある年配の方が私の方を見ながら監督に話しかけているのが見えた。そしてすぐに監督に呼ばれた私は、そこでもう一回スイングしてみろと指示を受ける。
「ほら、すごくキレイなスイングじゃない?」と年配者が言うと、「君は右投げ左打ちか?」と私に尋ねてきたので、頷いた。
その年配者は監督に「この子は貴重な存在だから今から育てるべきじゃないか?そうだ、お尻も大きいのでキャッチャーはどうか」と進言していた。私はキャッチャーみたいな専門職などできるわけがないと心のなかで苦笑いしながらも、スイングが認められたことに気持ちよさを感じていた。
しかしその進言は監督にヒントを与えたようで、次の日、「今日からブルペンに入ってピッチャーの球を受けろ」とさっそくキャッチャーとしての育成期間が始まったのである。

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