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キリンの首に見る限界突破論(キリン解剖記 郡司芽久氏 著 ナツメ社)

 おはこんばんちは!
どうもエロ界の王ことバーテンの貴さんです。

 面白い本に出合えたので今回は書評シリーズです。というかおススメ書籍と言った方が適切かもしれないなと薄々思っていたりします。今回もネタバレが嫌な人は書籍を読んでから読んでみてください。

キリンさんやん!

 今回の書籍は(キリン解剖記 郡司芽久氏 著 ナツメ社)です。最近僕がハマっているのが動物や植物などの研究をしている方の書籍を読むことなのですが、ガッツリ刺さってしまいましたよ。本屋さんで見つけて即購入しました。目次と著者の紹介を見て更にテンションが上がりました。東大で解剖というワードだけでワクワクしてしまいました。しかも、キリンさんです。早く読みたくなりました。

 内容的には著者の郡司芽久さんが現在に至るまでをキリンの解剖を軸に展開されていきます。パッと見はこれから研究者を目指す人やキリンが好きな人向けに見えりかもしれませんが、そんなことはなく老若男女が楽しみつつ色々思考できる本になっています。

 個人的な事を言うと僕が見たことのあるキリンを解剖されていることにとても縁を感じました。僕が子供の時から行っている神戸市立王子動物園という身近過ぎる名前が出てきたときは正直かなりテンションがあがってしましました。そして、亡くなったキリンがどうなったかということを知れたのはとても感慨深かったです。

 キリンを生で見たことがある人にはわかると思いますが、めちゃくちゃデカいですよね。僕は毎回彼等の前で眺めの時間を過ごしてしまいます。最近依頼で行った神戸市立王子動物園でもかなりゆっくり観察してきました。なんだかワクワクしてしまうのと、ゆっくり落ち着けるという相反した感情を抱かせてくれます。

 そんなキリンのことを物心がつく前から大好きだった著者の郡司さん。そんな郡司さんも大学に入るまでは大好きなキリンも頭の片隅にあったくらいで、大学に入り自分の将来を考えた時にキリンが再び大きな存在になったようです。

 キリンの研究ができるところが無いという状況から、日本でおそらく一番キリンを解剖している人になるまでの経緯はとても運命的なものを感じるのですが、それはひとえに「好きなもの」や「やりたいこと」を表明し続けた結果ということがいえます。確かに運というものはあるかもしれませんがそれは確率を上げるために行動した人にしか微笑まないということがわかります。

 また、一つのことを突き詰めれば人間的にも成長するということもわかります。一人でできることの限界や、突き詰めるためにはその他の知識も必要になってくる。大きく言えば考え方が必要になってくるということがいえます。

 この本に書いてあるのはキリンのことだけではないということがわかってもらえたと思います。しかし、読み終わった時に読む前よりもキリンが好きになっているかもしれません。

キリンの首

 この本ではキリンの首の「八つ目の骨」が軸として語られています。まず基本的には哺乳類の脊椎は七つです。その七つという制限の中で各々が進化してきたということがいえます。その他の種ではかなり多様性があるのに哺乳類だけ七という数字に縛られています。

 郡司さんがこの八つ目の骨に着目したきっかけは「キリンの脊椎は八つある」という論文との出会いからでした。しかし、この論文への評価は否定的なものが多く郡司さん自身も疑いつつもそこを掘り下げようとするのでした。

 結果的に八つ目の脊椎は第一胸椎が特異に進化したものでした。高いところにある植物を食べ低い水場にも届くように可動範囲を広げるための進化です。

 そこから見えるのは、哺乳類の脊椎は七つという制限の中、持っているものを工夫して何とかするという考え方です。以前違う書籍の書評でも書きましたが、進化というのは神様が与えた一発逆転ではありません。長い時間をかけて持っているものを使い最適化していくということの連続です。

 しかし、人間は「考える」ということができるため身体を進化させずとも環境に適応したり、環境を作るということができるようになりました。つまり、一代でそこそこの進化ができるということです。ただ、上でも述べた通り一発逆転ということはありません。そこには「考える」ということができないと辿り着けません。良い例が宝くじや保険金です。考えるということをしない人にとっては逆に不幸な結果を招くということは広く知られていると思います。

 限界突破の仕方というのは細かく見れば多種多様ではありますが、根本的な考え方というのは大きく変わりません。今回の書籍からはキリンの進化の限界突破と著者の郡司さんの人としての限界突破が見えてきます。

 暫くの間、僕の人間以外のものを研究している人の本巡りは終わりそうにありません。というか実際に会いたい。学生の人でもよいので何かを研究している人は依頼料がかなり安くなる可能性が高いので連絡してみてください。

依頼したい人はサイト http://ballantimetaka.com/i/ を確認してから依頼してください。レビューや動画等もあります。

過去記事

 上の二つの記事を読めば正直僕に会う必要もないかなと思います。読解力と実践することができればですけど。

 一番早いのは僕に会いに来ることやとは思うのですが段階を設けておきました。今のところ無料でも読めるので読んでみてね。

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