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小説メイキング備忘録~マジでメモ~

小説書きの方と話していると、「セリフから思いつきます」「好きなシーンから書き始める」など書き方が意外と人それぞれなことが多いです。
使用ソフトもWordが大正義かと思いきや、一太郎も長く愛されているソフトだし、今はフリーソフトのテキストツールなんてごまんとあふれています。

この記事は一次創作BLの長編を書き終えた現在、自分はどうやって書いているかな〜、と見つめ直す用なのが主なので、誰の参考になるかわからないのですが、「へぇ〜こういう人もいるんだね…」くらいの暇つぶしにでもなれば幸いです。

結論

考えるのって大事~😕

1 執筆環境

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ちゃぶ台と座椅子という姿勢を破壊しにかかっているとしか思えない環境の中でも、なんとか肩と腰を温存しなければ……というのと、弊社は在宅勤務継続(9月現在)なのもあり今年になって揃えたものも多い作業環境を説明します。

ノートパソコン
4年くらい前に買ったHPのA4サイズのデカいノートパソコン。7月ごろにお茶をぶち撒けて以降、少しずつ調子が悪くなりつつあります。たまに鈴虫の鳴き声みたいな音がする。長生きしてくれ…。
WordとExcelプリセットで9万しないくらいだったのでお手頃っちゃお手頃。

パソコンスタンド
目線を下げないようにと思って買ったスタンド。おかげで肩こりは減りましたし、ただでさえ狭いちゃぶ台がさらに狭くなり本やマンガなど余計なものが置けなくなりました。いいことですね…。

外付けキーボード
貯まりに貯まった家電量販店のポイントで買ったキーボード。「外付けキーボード」って検索して上位に出てきたものを素直に買いました。
私はテンキーまで付いているものが好きですが、キーボードは配列も含めマジで好みだと思います。ビッカメとソフマップは共通ポイントなのを私はこれを買って初めて知りました。

Spotify(画面に映ってるやつ)
今はもうすっかり定着した音楽のサブスクリプションサービスです。
作業用BGMを聴きながら書く人にはうってつけです。テーマごとにプレイリストがあり、気分によって選べます。私は歌が入っていたりあまり激しいのを聴くと集中できず、またアイマスはテンションが別方向に逸れてライブのBlu-Rayを再生してしまうので原稿中は聴かないのですが、歌なしのプレイリストもあります。画面の「静寂と黄昏」というプレイリストは個人的オススメです。

あとは温かいお茶・ぬるい水くらいです。
読んでいただいておわかりのとおり、私の部屋は単身用の賃貸なので狭いです。リングフィットをやるとき、手足を前に伸ばすと足が壁に触りかけるため、その都度「あ゛っ!」と声を上げています(壁のクリーニング代や修繕費が怖い)。
腰に優しい高価な椅子なんてとても置けません。引っ越さない限り当分このスタイルでしょう。ただディスプレイの位置を変えるだけで肩や首にかかる負担はずいぶん減りました。
ポイントは「前のめりにならないこと」だと思います。なるべく座椅子の背もたれにもたれながら作業すること。腰痛が気になる人はやわらかいクッションを腰に当てるのもアリです。

2 使用ツール

主に原稿作成(執筆)時に使っているツールを2つ紹介していきたいと思います。

●Microsoft Office Word
みんな大好き…というよりかは自分から探そうとしない限りWordで書くことになるでしょう。
ただ、ワケのわからんところに赤波線を引かれたり、勝手に英字の頭が大文字になったり、意図しないところでWordの気遣いがありがた迷惑になった経験のある方も多いのではないでしょうか。
個人的に、Wordはオプションをいじってからが本番だと思っています。例えば、自動字下げがオンになっていると、他のツール(例︰メモ帳やGoogleドキュメントなど)へコピペした際、字下げが反映されません。なので私はオフにしています。
このようにWordのお節介を無視できるようになるのでいろいろ調べていじってみてください。試したことはないですが、あの波線も多分消せます。そのぶん校正の負担は増えますが…。

●Nola(プロットツール)

「これこの後どうするんだっけ?」と自分しかわからないはずの展開を忘れたことはありますか?自分で考えたはずの人物名を話の中でことごとく誤ったせいで、急に誰か出てきて消えるという現象が起きたことはありますか?「なんか…何事もなく話が終わったな!」と書ききってからようやく気づいたことはありますか?
私はもちろんすべて経験済みです。仕事をしたあとに原稿をやるような疲弊した脳を抱える同人小説書きにとって、プロットは長編を書くのに必須です。
プロットはどんなものかというと、定義は人それぞれですが私は「原稿までの地図」だと思っています。
起承転結それぞれで何が起こるの?この話には誰が出てくるの?主な舞台は?書き進めながら迷子にならないように、自分の書きたいものを明確に一度アウトプットするための行動をプロットと考えています。

世の中にはさまざまなプロット作成ツールがあります。手書きももちろんいいでしょう。私も当初は手書き派でしたが、書いたメモをなくしたり、いきなり謎の文字列が出てきたと思ったらソシャゲの引き継ぎコードだったりと驚きの管理能力を発揮してしまったのでやめました。
「Nola」のいいところは【事細かにメモできる点】【起承転結が目に見えてわかりやすくなる点】【アプリ版もある点】です。

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上の2枚はPC版のスクショです。
1枚目・左側5つ並んだ文字列がメニューなのですが、『テーマ』というメニューの中では「小説のテーマ」「作品の終着点」「どんな人に読ませたい話なのか」など、作品以外の要素やゴールから決めるような形になっています。

1枚目は『プロット』です。「起承転結」はそれぞれいつのときの話か、また何が起こるのかを書いていくと、画像の通り流れ・各シーンのボリューム感が一連となって表示されて見やすくなります。私はこの機能が気に入って「Nola」を愛用しています。どんなふうに書いているかは後述。
2枚目は登場人物一覧ですが、身長・体重に加えて特技や生い立ちなどかなり事細かに設定できます。
また、1枚目の左側にある『世界観』では、「キャラのいる世界の政治・通貨・宗教などはどうなっているの?」といったところまで設定できるので、異世界やファンタジー小説を書きたい場合にも向いているのではないでしょうか。
また、アプリ版もあるので思いついたときにスマホでちょこちょこ更新できるのも気楽でいいです。

以上の2つのツールで主に執筆を進めています。
しかしあくまでも一例に過ぎません。手書きのほうがより話の流れは自分にわかりやすく可視化しやすいとは思いますし、通勤時間を利用してスマホで原稿を進めるという人もいます。
他にも私の知らないツールが世の中にたくさんあるので、自分がいいと思ったものに出会えるといいのではないでしょうか。
ちなみに登場人物にある絵ですが、私は「高校時代、出席していればみんなが成績5を取れると噂の美術で、ほぼすべて出席してせっせと絵を描いた結果成績が4だった」という経歴を持っているため、もちろん自分で描いていません。キャラメーカー様様です。

3 執筆過程

ここでは私が実際に書いていくまでの工程を、一次創作を例に説明します。

①話づくり(ネタ集め)
みんなさぁ……ネタづくりどうしてる?(メイキングで問題提起をするな)
じつは一次創作は今年から書き始めたのですが、話を考えるにあたり「私は何がどうして好きなんだろう?」「何を大事にしたいのだろう?」と考えるのが重要だなと思いました。

好きなもの……本当に何でも構いません。雨の音、暇な時間のある仕事中、紅茶、いつも発売日の当日に買っている漫画、ヘビロテしている曲、魅力を感じる人、夜の散歩、目覚ましをかけずに昼までグータラ寝る休日などなど、「これが好き」と言えるものはけっこうあるのではないでしょうか。
そこから「どうしてこれが好きなのか」と理由を考えてみるのが創作の第一歩ではないかと、私が一次創作を書いてみて感じた1つの答えです。
例えば、私は雨の音が好きです。でもよく考えると傘をさすのはあまり好きではなく、家の中限定での話です。家の中で聞く雨の音は落ち着きます。決して濡れないというある種の安心感すらあります。
だから、書くとしたら「雨の日の家」「落ち着いた雰囲気」から連想して、「やることを持て余した同棲中の2人」といったシーンを書きたいなと思います。

創作とは1つの表現方法です。「書きたい」とはすなわち、「私はこれが好き」「私はこう考えている」という意志の発露でもあると思います。
おおげさな言葉を使っているかもしれませんが、ビビることはありません。世の中1000人いれば1000通りの考え方があります。
ただ、自分が普段考えていること・大切にしたい価値観を少しでもいいから整理する必要が、創作をするうえでは求められるのではないのでしょうか。
大切にしたい価値観とは、「子どもに危険な行為をさせない」「愛していると言うほうが受け」「性格が冷静な人は攻め」「肉体関係から愛は生まれない」など、自分の中で譲りたくないと思っている思考・萌え・倫理などです。
ゼロからフィクションを書くからこそ、現実の自分は何をどう捉えているか見つめ直すのが大事などではないでしょうか。
時には自身の物の見方が変わることもあるでしょう。好きなものが嫌いになったり、逆もしかり。とにかく、思考なしに作品は生まれません。
ちょっと周りに目を凝らすだけでも新しいネタが見つかったり、「この思考を基盤に創作したい」というモチベーションにもなると思います。あくまで持論ですが。

②プロット作成

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先ほど貼った画像をもう少し詳しくしたものです。
「入れたいセリフ・会話を書き溜める」「コピペして少し書き足すだけで文章になるようにする」など、プロットの書き方はじつにさまざまです。
画像を見ていただくとわかるのですが、私の場合は「どんなシーン・状況か」の要素だけを書くようにしています。
理由はプロットの時点で事細かに書くと「同じこと2回も書きたくな~い」となりやる気が削がれるのと、セリフは実際に書いてみながら考えるほうが楽しいからです。
ただ前述のとおり私の記憶力は後退の一途を辿っていますので、誰が何を起こすか・何が起きるのかの重要と思われる要素は書いておきます。要は細かく書いたメモですね。

あと、このプロットは一度にこんなに書いているわけではありません。
「起承転結の起・承までは確立できたし、本文書いてみようかな」と原稿と並行して進める場合が多いです。
プロット→原稿→合間にプロット→原稿…といった感じです。
遅筆なうえに平日はそんなバカスカ書けるわけではないので、ちょっとずつ本文を進めながら仕事中の浮いた時間に「どんな展開にしようかな🎶」などと考えています。ダメな社会人だ……。

③とにかく書き進める
大事なのは絶対に立ち止まらないことでは!??!!?!
私の場合、まず書き終わる…この場合は「結まで書ききって完結させる」の意味ですが、長編の場合はとにかく書き終えるまでほぼ見直しません。
推敲しながら書き進めたほうがもちろん誤字・脱字・矛盾などおかしな点は発見できますが、一度気になると「あそこもここも直さなきゃ…」となり修正作業に時間を取られてしまいます。
それにどうせまた書き進めるうちに何かしら変な点は出るはずなので、それならやる気のたぎっているうちに一度書き終えてから全体を読み直すほうがまだ個人的には効率的です。

参考までに書きますと、9月初旬に印刷用に12万字(文庫で約300P)の原稿を書き終えたのですが、執筆に約3カ月、修正作業に7日ほどかかりました(間に仕事を挟んでいます)。
生むのも大事ですが、終止符を打つのも同じくらい大事です。上はあくまで一例で書きましたが、世の中には腕が6本あるとしか思えないほど書くのが速い人もいれば、「作業用BGMを選んでたら30分経ってたwwwww」という人もいます。なお後者は私の実例です。
根性論は嫌いなのですが、ここはマイペース、でも根気強く好きなものを書き進めていくのがいいと思います。気にするのは締切(ある場合)くらいで充分です。

さらに、長編を書くうえで大事にしたいのはバックアップです。
私はWordデータをローカルに保存し、そしてGoogleドキュメントにも原稿をコピペして保存していました。Googleドキュメントに直接書けば?と思われるかもしれませんが、そこは書きなれたWordがいいのです😌
長文であるほどデータが消えたときのダメージはすさまじいはずです。特にこんな異音を発するPCで書いているのなら尚更です。買い換えてぇ~!
今はクラウドサービスも発展しました。とにかく言いたいのはPC以外の場所にも保存しておいたほうがいいということです。

④校正・レイアウト調整作業(同人誌作成の場合)
私の場合、「Wordを起動した際の初期設定(横書き)で書き進める→書き終えてから印刷用のページ設定にしたファイルにコピペして調整」というやり方を取っています。
印刷用のページ設定に直接書いていると、ルビを振ったときの行間や改行位置が気になってしまい、これまた進まないため、最後にコピペで流し込んで調整します。

フォントはいろいろ試していますが半々で「源暎こぶり明朝(フリーフォント)」「MS 明朝(Wordにデフォルトで入っているアレ)」です。

半々と書いたのは、後者は「ヤバい!!!!もうPDF化の文字化けとか気にしてる暇ない!!!!」と切羽詰まっているときに使っています。半々とか2冊に1回はこうなっているというわけですが…。
「MS 明朝 小説」で検索するといろいろ賛否両論出てきますが、同人誌に限ってはフォントはもう好みではないでしょうか。
私は「MS 明朝」はPDF化したときに化ける心配もほとんどないし、「――(ダッシュ二連続)」は切れないし、読みにくいと思ったこともないので好きです。
なお行間・字間はだいたい下記のようにしています。
A5同人誌:文字数・26字/行数・21行/天地ノド小口 各17・16・22・20(※二段組)
文庫本︰文字数・37字/行数・16行/天地ノド小口12・12・14・10

おわりに

ここまで拙文、もといメイキング記録を読んでくださりありがとうございました。
これを書こうと思ったきっかけは10月開催予定のJ庭へ参加を決めたことです。
一次創作を書こうとなんとなく決めたのは5月くらいからですが、二次創作とは違い、世界もキャラもプリセットではなく、自分でゼロから考える必要があります。
書いている間、常に変化していく世間の物の見方・好きだ、大切だと感じるもの・どんな人がこの話を読んでどう思うか、などそれらを総称して自身の狂気との闘いでした。世の商業作家さんたちは本当に大変だと思います…。
しかし、自分が少しでもいいと思えるものを形にできたのは個人的にすごくいい経験になりました。
もともと交流目的で書いているわけではないのですが、たくさん考えながら、時には調べながら書いたおかげで、書いている間に孤独を覚えることはあまりありませんでした。

今回は一次創作を例に出しましたが、二次創作でも根はそんなに変わらないと思います。
「私はどうしてこのカップリングが好きなのかな?」「この作品に興味を持ったきっかけってなんだろう」など、好きなものについて考えるのはとても楽しいことです。そこから一歩踏み込んで考えだすのはなかなか大変ですが、自ら考えること、それ自体が非常に重要だと思うのです。

四方八方に書き散らしてはいますが、この記事が誰かのモチベーションや参考に少しでもなればハッピー万々歳です。まぁここまで書いておいてアレなのですが、この時点でまだJ庭の入稿完了してないんですよね。アァ〜〜〜修正は続くよどこまでも😭

〜完〜

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