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仕事は道具

こんにちは。

突然ですが、仕事の良し悪しは道具で大きく左右されます。
こう聞くと技術を大事にしている立場からするとなんだか抵抗感がありますが、実際にそうだと今では確信しています。
みなさんの仕事にもきっと共通することはあると思うのですが、仕事でまず大切なのは段取りですよね。
段取りが良ければ仕事の7〜8割は成功したようなものです。
しかし、そこから仕事の精度を上げてこそプロの仕事と言えるでしょう。
商品やサービスを提供するためにはそこが重要なわけですが、残りの2〜3割は簡単に向上するものではありません。
泥臭く、ややこしく、細かい作業がそこには詰まっています。
建築の仕事で考えていきますが、大きな枠組みを捉えれば段取りが出来ます。
段取りが出来れば全体像が浮かび上がり、ほとんどの準備を整えることが可能です。
しかし、そこから精度を上げていくには地道な作業が必要となります。
初めは1/100スケールの図面も徐々にスケールの小さいものとしていき、原寸で考える必要もあります。
そして最終的には居心地のような図面では表しきれない感覚にアプローチすることにもなります。
現場においても同じで、手触りのような五感でしか味わえないような仕上げを行うのです。
そのような微妙な違いにもこだわりを持って仕事に取り組めば、些細ではありますがきっとより良いものが生まれると信じています。

ただ、それを叶えるためには能力が必要です。
時間とお金をかければいつか出来るかもしれませんが、仕事となるとそんなことは言っておられません。
効率良く、かつ精度を上げる能力が求められることになります。
どんなに高い技術を持っていても、間に合わなければ商品とはなりません。
商品とするためには速さも必要です。
速いことで多くを提供でき、利益を生み、クライアントの満足度も上がります。
そして道具を使うことで時間をかけた仕事と同等以上の仕事が出来るのであれば、それが間違いなく最良の方法でしょう。

年を追うごとに、技術は発展してきています。
ともなって様々な道具も発展してきており、過去には大変であった作業も効率的に実施することが可能となっています。
10年もすれば道具はだいぶ進歩して、技術が必要であった仕事も素早く行うことが出来るようになりました。
ただし、それでもやはり仕事にはどうしても差が出ます。
まず第一に道具があるのに、使わないということです。
今までやってきた仕事のやり方を変えるというのは抵抗があることです。
もしかしたら、これまで上手く仕事を出来ていた人ほどそうかもしれません。
過去の成功体験を否定するのは誰にとっても抵抗があるものです。
次に道具を使いこなす努力をしないこともあるでしょう。
いかに優れた道具であっても、初めから使いこなすのは難しいものです。
慣れればスムーズにいく仕事も、途中で挫折してしまい元通りのやり方となってしまうことは多々見受けられます。

もちろん個人のやりやすさというのは違いがあり、絶対新しいものを取り入れる必要があるわけではありませんが、まずは試してみる。
そして慣れるまで練習する。
そこまでやって仕事が向上するかを判断することが大切だと思います。
どんな道具が適しているかを定めることが、確実に仕事の精度に影響します。
これは自分への戒めでもありますが、新しい道具にはまず触ってみることで、今の仕事に新しい領域を開いてくれるきっかけになるかもしれないと心掛けるようにしています。
少なくとも、歴史を見れば確実にそうだと言えるでしょう。

技術を身につけることは決して悪いことではなく、むしろ良いことだと思います。
しかし、技術こそ身につけるのには長い時間が必要です。
まずは新しい道具を使いこなすことを試みることから始めましょう。
それで仕事になれば、別の技術を身につけましょう。
その繰り返しで間違いなく、仕事の精度は上がります。
ですので、仕事は道具です。
新しいものはどんどん取り入れましょう。

では、また。

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