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生活の建築知識.10

おはようございます。

昨日の投稿(生活の建築知識.9)でDIYのネガティブな側面をまとめてしまい鬱々となりましたので、今回はDIYを前向きに捉え、役に立ちそうな情報をお伝えしたいと思います。

DIYと聞いて、ど定番なのではないかなと勝手に思っているのが木製のカウンターや棚です。
特にちょっとした棚は、道具さえあれば比較的簡単に追加出来てハードルは低めだと思います。
初めてDIYをするという方もチャレンジしやすい部類だと思います。

木製なので木材を使用することになるわけですが、木にも当然種類があります。
特にカウンターや棚に適した木材は一体なんなのかを考えながら、今回は板や木の紹介と説明していきます。

カウンター・棚に適した木材を選定するにあたり、どんな条件が考えられるか挙げたいと思います。
・丈夫
・軽い or 重い
・傷みにくい
・意匠性(色味や木目)
使用方法や置くものなどにより多少異なるとは思いますが、ある程度上記の内容を踏まえていくつか材料を紹介したいと思います。
まずは板の種類について説明します。

・ランバーコア合板
芯材に木片ブロックを利用して継ぎ合わせて形成し、両面を薄いベニヤで挟み込んだ合板です。
同じ厚みのベニヤに対して軽量で、反りなどの狂いも少なく棚板として非常に使い勝手が良い材料となります。
表面の薄いベニヤ部分にも複数種類があり、シナ・ラワン・ポリエステル(通称:ポリ)などが代表的な材質となります。


・集成材
角形の木片をフィンガージョイントという接合加工を施して接着剤で貼り合わせた材料のことを集成材といいます。
木片は無垢の木材となり、木の風合いを残しつつ、無垢の板材と比べて安価に入手出来ることから広く家具や棚板に利用されています。
また使用されている木の種類も多種あり、楢・タモ・メルクパイン・ゴム・杉・ウォルナット・檜と他にも取り扱いがあります。
木の種類によって、重さ・硬さ・加工のしやすさ・金額が異なり、用途に応じて選べるメリットがあります。


剥ぎ板
無垢の木材を利用するのですが、一枚の板を構成するのに、複数枚の板を水平方向に貼り合わせた材料となります。
集成材との違いは、フィンガージョイントはなく、3枚や4枚程度の板しか貼り合わせていたいことで、木目がしっかりと見え木材本来の風合いが楽しめるところにあります。
木の種類も集成材と同様に選べて、好みの板を見つけることが出来ます。
ただし金額は集成材に比べて高額となり、高価格帯のテーブルや椅子などの家具に用いられます。


無垢材
こちらは言うまでもなく、正真正銘丸太から切り出された一枚板となります。
当然木目に接合箇所はなく、一点ものの高級品として扱われます。
あえて整形せずに耳付きと言われる樹木の形状を活かした板や、節や割れがそのままにされているものもあります。
大判で取れる量が限られることや、木の種類によっては新たに伐採出来ないものもあり、非常に希少価値が高いとされています。
もちろん金額はピンキリではありますが、数百万〜数千万するものもあります。
硬さ・重さ・材質としての狂いなどは一点ずつ異なりますが、加工されたものと比べると反りなどは出やすい可能性があります。

板と言ってもこのように種類があり、用途に応じた選択が必要です。
また、上記の説明の中で木の種類が選べる場合は、その木の性質によって板の性能が変わります。
なので、木の種類とそれぞれの特徴を簡単に説明します。

・杉

杉 集成材


日本においては非常に馴染みのある材料となり、国産のブランド材としても流通しています。
主な特徴として、杉はまっすぐ成長することにより木目もまっすぐと伸びています。
表面は柔らかく肌ざわいが良いことから古くは床の板張り材に用いられたり、まっすぐな形状から今でも構造材として用いられます。
また、杉は芯材(丸太の中心部)を赤身、辺材(丸太の外周部)を白身という呼び方で分けられており、名前の通り色が異なります。
色だけではなく性質も異なり、赤身は丸太の中心部で吸水性が低く構造材として適しており、白身は外周部の若い年輪部分のため木目が緻密で柔らかやが特徴となります。


・オーク(楢)

オーク 無垢材


最近では最も多く仕上げの材料として用いられる木材だと思います。
産地により楢とオークで分けられますが今回は一色単に説明してしまいます。
密度が高いため、硬く重い材質をしており、ワインなどの樽にも使われるように耐水性にも優れます。
木目は柾目・板目で異なりますが、特に柾目では虎斑(とらふ)と言われる斑点模様があるのが特徴です。
色味も穏やかな茶色で他のインテリアとも馴染みやすく、フローリングや家具で広く利用されています。

・タモ

タモ 無垢材


こちらも最近では多く利用されている材料の一つです。
タモもオークと同様に、密度が高いため硬く重い材料です。
耐水性はオークほどではないですが、決して弱いわけでもありません。
木目や色味については、一見オークと見分けがつかないかもしれませんが、どちらかと言えば木目がはっきりしており、茶色も少し濃くなります。
オークには先述した通り虎斑がありますが、タモにはないのが一番わかりやすい特徴です。
この2種類についてはプロでも見分けがついてない方いますので、間違えても気にしないでください。
用途としては、バットに多く利用されているそうですが、建材としては家具や建具枠などに利用されることが多いと言えます。

・ウォルナット
こちらも耳馴染みがある材料かと思います。
今回紹介する材料の中で最も密度が高く、硬さ点重さともにしっかりした材料です。
世界三大銘木に数えられる高級木材として知られ、耐久性・耐水性にも優れます。
特有の深い褐色をした色味も特徴で、木目も緻密で重厚感があり、古くから家具などに利用されてきました。
高額の材料とはなりますが、他では代替し難い落ち着いた雰囲気がある木材です。

・メルクパイン
マツ科の木で、適度に硬さがあることや比較的安価に入手可能であることからこちらもよく建材として利用されます。
主に階段の段板や家具で利用されます。

ひとまず木の紹介はここくらいにします。
もちろんまだまだ木の種類は多く、産地によっても異なるのでご興味ある方は調べてみてください。
※写真は持ち合わせていた材料だけで少なくてすみません。

あれこれ説明してきましたが、私なりに棚板やカウンターの材料をおすすめしますと、
・棚板(痛みが伴いそうな場所)→ポリのランバーコア
・棚板(人目に付く場所)→集成材
・カウンター→集成材以上の材料(杉や柔らかい木材は除く)
このようになります。
表面が木質の材料は塗装をすることを前提としてください。
ただ、ポリのランバーコアは表面が仕上がってますし、ちょっとした衝撃や水分にも耐久性があり、なおかつ比較的安価に入手出来ますので、人目に付かず、実用性だけを求めるのであればこちらがおすすめです。
ちなみに人目に付く場所でも全然問題ありません。


本当はまだまだ木に関して書きたいですが、長くて終わらなくなるので、終わります。
木も種類が多く、つい探し始めると沼にハマりそうになります。
ただ調べながら行うDIYもまた楽しいかと思いますので、是非調べて頂き楽しんでもらえたらと思います。
くれぐれも怪我をしないようお気をつけ下さい。

では、また。

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