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特徴を理解することの面白さ

こんにちは。

音楽だとイメージしやすいかもしれませんが、曲にはジャンルがあることはみなさんご存知ですよね。
ロック・ヒップホップ・ポップ・レゲエと様々存在します。
さらに地域によっても区分されることがあります。
KPOPやUKロックなんかがそれでしょう。
聴覚では分かりにくければファッションでも同様にジャンルがあります。
このように五感に訴え掛けるような商品・作品・サービスには多くの場合ジャンルが存在します。
おそらく多くの方が感覚的に、これはモード、これはパンクとわかると思いますが、ではその定義は何かと言われると答えるのは難しいと思います。
専門でもない音楽やファッションについて触れてしまいましたのは、私もそれらについて語るほどの知識も教養もないことを明らかにするためと、専門である建築については少し説明が出来るという前振りなのですが、多くのジャンルとの比較は話が延々と続いてしまいますので、今回は日本建築の特徴についてお話ししたいと思います。

日本建築とは何かを語る上で、形態や材質も大きな要因となります。
形態に関しては、軸を主体に構成することで、通気性や軽量化といった利点を生むことが挙げられます。
材質に関しても、軸を構成するために有利な木材、そして湿度と相性の良い土を使った仕上げが特徴と言えるでしょう。
しかし、近隣の国々も今挙げた特徴に合致する部分が多く見受けられます。
それでありながら感覚的に違いがあるのは別の要因があるためと思われるのです。
日本の歴史を遡ると、魏志倭人伝で中国との交流が見て取れます。
卑弥呼の時代から交流があり、当時の中国は日本と比べれば段違いに発達した文明と言えるでしょう(三国志の時代)
日本建築も例に漏れず、中国から多くの技術を輸入し影響を受けました。
合わせて影響を受けたものとしては、仏教が切っても切り離せません。
仏教と建築技術の伝来はセットと言っても良いでしょう。
一方で日本には天照大神、つまり神道の宗教文化が古来からあります。
神を祀るための神社も日本建築と言えるでしょう。
そして神道からの経緯で天皇制が日本では脈々と継承されてきており、ある種の貴族文化が建築の発展に貢献してきました。
神道・天皇制・仏教による文化の混合が日本建築には色濃く反映されています。

また違う角度から見ていくと、日本の国土から受けた影響もあると思います。
日本は大きい島国ではありますが、山が多く都市を形成するための平地というのは限られた面積となります。
そのため、民家はそれほど大きいものもなく機能性を重視した設計となることが多くなります。
さらに四季がはっきりしていることや、夏場の温度と湿度が厳しいことも形態と合わせて影響があったことは見て取れます。

これらの条件をまとめてみると、日本建築の特徴はコンパクトで機能的なプランが多く、構造的には軸で構成するシンプルなものとすることで、風土にも適する利点がある建築形態をしたもの。
また意匠的には派手さがあまりなく、神道文化から自然のあらゆるものに神がたどり、その美しさや風情を愛でて楽しむ傾向があり、自然を取り込むような計画とするもの。

少し長くはなりましたが、この条件に当てはまる建築のジャンルは日本建築以外ではあまりないのではないでしょうか?
現在は技術の発展で、風土をある程度無視することも可能ですし、多様性が進み様々な考えのもと建築を構成することが出来ます。
ただ、どこか馴染みのある日本建築の要素が含まれると落ち着くと感じる方も少なくはないと思います。
建築に限らず、好きなジャンルの特徴を理解することで、自身のバックグラウンドとの親和性に気がつくきっかけになるかもしれませんね。

では、また。

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