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生活の建築知識.76

おはようございます。
ホームセンターに行くと色々なものが多く並んでいて楽しいと感じるのは、おそらく私だけではないでしょう。
仕事柄もありますが拗らせていくと、水栓器具や建具金物なども見たくなりショールームなどにも足を運んでしまうのですが、今ではネットでも多くの金物が販売されており、どなたでも購入が可能です。
どなたでも購入が可能なため、実施の際にクライアントが持参して取り付けて欲しいと言われるケースもだいぶ多くなってきました。
ただし、輸入物も稀にあったりするため、取り付け方がよくわからないなと思うこともあります。
また、どんな素材で具体的なサイズ・寸法が実物を見るまでわからないということもなくはありません。
今回は金物、アクセサリーに関する素材や取り付け方についてあれこれ説明して選び方の参考になればと思います。

金物やアクセサリーで多く使用される材質として、金属が挙げられます。
また金属にも当然種類がありますが、よく目にするのは鉄・ステンレス・アルミ・真鍮となります。
それらの材質のうち、鉄は素地のままではすぐに錆びてしまうため、基本的には保護コーティング用の塗装やメッキなどが施させております。
近年では黒皮と言われる酸化被膜が残った状態の鉄が好まれることもあり、この状態に塗膜コーティングをすることもあります。
真鍮も酸化しやすい材料であるためにコーティングをすることもありますが、あえてしないままとしている製品もあり、わざと酸化させて風合いを楽しむためにデザインされています。
それぞれの材料には、それぞれの良さ悪さがありますが、そこをちゃんと理解することは大切になります。
タオル掛けを例に考えてみます。
洗面台付近に設置されるタオル掛けは、タオルが濡れている状態となることが想像できます。
酸化しやすい材質ですと、水分が多いことでより酸化を早めたり、酸化で生じた被膜によりタオルの接している部分が汚れてしまうこともあります。
水周りであると、ステンレス・アルミもしくはメッキ処理された部材を採用する方が無難だと判断できます。
一方コート掛けを考えてみると、設置する場所にもよりますが、廊下などであった場合で周辺が木質の仕上げなどであれば、ステンレスのようなピカピカしたものより真鍮のようなくすんだ質感の金属の方が馴染むこともあります。
もちろん好みによる部分も大きいですが、選択肢としては多くのものを選べるとわかるでしょう。

次に取り付け方について考えていきます。
基本的にはビス固定出来るものが取付強度を考慮すればおすすめでしょう。
ビス固定するためには下地が必要となりますので、それが実施出来るかは確認が必要です。
参考までに過去の記事を載せておきます。

その他の取り付け方に関しては正直おすすめは出来ませんし、いざ実施するにも注意が必要です。
たまに見かけるのは接着剤のみでの取付です。
接着剤の性能は近年かなり上がっておりますので、実際に接着力だけを考えれば決して弱いわけではありません。
しかし、貼り付ける相手の素材がその強度に耐えられるとは限りません。
例えば壁紙の上から接着する場合、壁紙との接着が剥がれる前に壁紙自体が壁から剥がれてしまうでしょう。
接着をする場合、基本的には表面が剥離しないことが前提となりますので、見渡してみればそのような条件をクリア出来るものはあまり家の中ではないことに気がつくと思います。
あとは、ピンを壁の石膏ボードに刺して固定するパターンもありますが、この場合は重量物や荷重がかかるものは避けるべきだと考えます。

最後にサイズに関してですが、よくプロでも失敗するのがタオル掛けとペーパーホルダーです。
注意が必要なのは他の部材との距離感です。
タオル掛けの場合、洗面台の近くに取付を行いますが、三面鏡の扉とぶつかることや、ぶつかるのを避ける位置までずらしたら設置するための壁の幅が足りないなんてことがあります。
また、ペーパーホルダーにおいては、トイレットペーパーを交換する方法が横から差し込む際に、差し込みに必要な寸法が確保出来てないことがたまにあります。
正面からか下から交換が出来るものであれば、そのようなことも起こりづらいですが、横から交換するタイプをご検討の際にはご注意ください。

本来であれば製品購入前に、注意書きや説明書などをご確認頂き、実施が可能かを検討することが望ましいですが、必ずしもそれらが記載されているとは限りません。
大手のメーカーや業者が扱うような部材であればそのようなこともありませんが、お気に入りの部材にそれらの情報が付随しているか確認してみてください。
ないからダメというわけではありませんが、ないならないなりに調べることも必要となります。

衣類や布類の汚れや、最悪の場合ケガが起らないとも限りませんので、手軽に買えてしまいますが金物・アクセサリーの購入は慎重にしてもらえればと思います。

では、また。

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