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「経済政策で人は死ぬか?公衆衛生学から見た不況対策」

「経済政策で人は死ぬか?公衆衛生学から見た不況対策」デヴィット・スタックラー、サンジェイ・バス共著・草思社発行

著者は英国の公衆衛生学者である。

不況下で財政刺激策を取るか?緊縮政策を取るか?政策選択に対する公衆衛生学からの実証的成果の本である。

著者は言う。「国民の生死に直接影響するリスクの高い政策選択はその判断をイデオロギーや信念に委ねてはならない。」

さらに言う。「正しい、分かりやすいデータや証拠が示されないならば予算も政策も国民は政治家に委ねてはならない。」

今回コロナ感染による欧州、米国危機も欧州債務危機、リーマンショック後の緊縮政策、新自由主義の結果ではないか?

米国シアトルでの死亡者の多さはホームレスの多さ、医療制度に原因がある。「人の命を守る」理念こそ政策、政治の基本ではないか?

米国疫学者・ジョンゼルナーは言う。「感染症は不平等のリトマス試験紙だ」

格差拡大と貧困の連鎖は健康格差と生命のリスク格差につながる。私たちは今こそ格差と貧困を生み出す政策が人を殺す事実を知らなければならない。


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