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起こす(ダニエル&テオ)

「先輩」
珍しくテオの部屋のロッキングチェアでダニエルが眠っていたので声をかけたが、反応がない。
(もしかして寝たフリなのか?いやでも分からない…!先輩は本当に読めない…!!)
テオは半ばむすっとしていた。
「先輩、お茶入れましたよー。今日は先輩の好きなプレーンのマフィンです」
と言ったがダニエルは目を開けない。
本来ならここで目を開けるはずが、何故か起きない。一体どうしたのだろうか、とテオは思わず心配になって肩を軽くゆする。
「先輩!大丈夫ですか!」
すると揺すっていた手を別の手で止められた。ダニエルだ。
「大丈夫ですよテオ」
テオを見つめる彼にダニエルはウインクしていた。
「貴方の部屋が居心地が良いのと、最近短い眠りだったのでつい眠ってしまいました。すみません。で、お茶が入ったのですね?」
ほっとしたテオは頷いた。そして再びむすっとして、
「も~心配したんですからね?早くしないと冷めますよ?」
と言って先に言ってしまった。その顔がどこか喜ばしいことをダニエルはハッキリ見て、くすっと笑ったのだった。

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