2024/08/10 メシジャピイエ

事務所ライブ ジャンピングイエローそれは少しでもジャンプアップしたい若手があつまるライブである。私も漏れなくジャンプアップしたいと思っている。寝る前にジャンプアップしたいなあと思って床について、起きたらあれがジャンプアップしていた、ってバカヤロウ!
そんなつまんな たけしイズムで日々過ごしている。たけしさんがつまんないわけじゃない。たけしさんに憧れて、そのままやろうとしていることがつまんないのである。もちろんモノマネ芸人さんでたけしさんを真似るひとを悪く言っているわけでもない。それは「似ている」という一つの芸であって、かっこつきの「そのままやろうとしている」ではないからだ。

これ注釈がたくさん必要だから、書かなければよかったなと思った。だけどもここまで書いたからそのまま投稿する。難しいのである。憧れるのは、お笑いの多くが最初の動機としているから。
野球だったらわかりやすい話である。イチローに憧れて野球をやっている、パワータイプの太っちょボウイがいたとして、きみはイチローというか山川穂高選手を目指すべきだと誰しもが思う。
山川選手に憧れて素振りを頑張っている体が小さくて、小回りが利く選手なら、小坂誠選手や木村拓也選手を目指すべきだと思う。
お笑いもそうで、憧れるのは悪いことじゃないけども、それをそのまま自分が体現できると思っては上手くいかないことが多い。

話はそれるけども(元から逸れていたところからさらに逸れるって変なの)、日本を代表するホームランバッターとなった山川選手も実は思い描いていた像とは少し違っていたのだそう。
ライオンズ入団当時、とにかくハイレベルなプロ野球で山川選手は首脳陣に評価されようと打率を気にして打席に立っていたのだそう。打率を気にするあまり、バッティングが小さくなり、ホームランも打率も振るわないという時期が長かった。
そんなとき、ライオンズの先輩である、おかわり君こと中村剛也選手から言われたのが「チームがお前に求めているのは打率じゃなくてホームランだろう。思いっきり振れ。」ということだ。そこで山川選手はハッと気づき、思いっきり振るようにしたところ、ホームランが増えたうえに強い打球が生まれることで打率も稼げるようになったんだそう。
嘘の話かもしれない。というのも、山川選手が本塁打を打ちまくるようになってからメディアで言っていたのをなんとなく思い出しながら書いたからだ。もし嘘話だったら失礼しました。でも悪い話じゃないからいいでしょう。許してちょんまげ(侍JAPANだけに)

で、何が言いたかったかと言えば山川選手のようなスター選手でも道を見誤る時期はあったのだから、私のような凡夫は絶えず自分を見つめなおす努力をしましょうねということだ。以上!日記に入っていないのに1000文字超えた。

今日は事務所ライブジャンピングイエローがある。先月の事務所ライブをお休みしたから2か月ぶりということになる。なんだか変な緊張感があった。
この二か月の間に数々の舞台で変なことをおしゃべってきたが、事務所ライブはなんだかピリッというかプピッというかなんだか違う緊張感がある。それはやはり、漫才の出番だけをやって帰るのではなくて開演の90分前には集合して、いろいろやってネタをやって間があってまた開演して、と緊張をする暇があるのだ。
漫才大行進では出番30分前くらいに来て、やるべきことは漫才で、直前にネタを変えることはできないからただ全力でやって、10分くらい喋ったら終わりだ。緊張する暇がないから言い方は難しいが「楽」だ。

とりあえず会場に入っていろいろとやる。ほどなくしてライブが始まって、ネタをやってサイハテというコンビの野坂くんとエンディングでしゃべって終演。OKである。いったん仕事終了。
そこからまた長い時間があってから夜の部だ。夜の部の開演前に衣装用の革靴が壊れた。べろんと靴底のゴム部分と革部分が分かれた。これは嫌だったなあ。安物買いの銭失い。
漫才は服を着て喋ればできる商売だから、カネはかかるまいと思いきや、こういったこまごまとしたことでお金が消えていく。私服で、スニーカーで漫才をやるのが一番安上がりだ。でも、衣装を着たほうが漫才は面白いっぽく見えるんだから不思議だ。
元バジトウフー、現米ェズの山口さんが青と紫っぽい運動靴で漫才をやっているのがなんか面白かったのを思い出した。スーツには革靴じゃないといけないというのは固定観念というか、疑うべきことなのかもしれない。
でも私としては革靴ってなんとなく格好いいから履き続けますけどもね。何となくのものにお金を使うのは良くないと思うが、革靴はなんか良いのが履きたくなっちゃうのよね。使ったことに納得できるということは、まあいいお金の使い方なんでしょうね。

さてと、ライブの話は特にないからライブが終わってからの話をする。ライブが終わるとマネージャーの方と作家の方からダメ出しをちょうだいする時間だ。
田川くんはこれを聞かずに帰る。天才だから。しかし、今日は残って聞いていた。珍しいなと思ったら、彼なりに自分を変えようと頑張っているらしい。というのも、一緒にライブに出たお笑いさんを誘って食事に行くということを意識的に始めたらしい。お笑いさんに声がけするためにダメ出しも聞くということだ。
人が自分の人生を変えようとする姿は、どんな人であっても美しいものである。私は文句は言わない。良いと思うことをやりつづけなさい。

田川くんは3,4人の後輩に声をかけて向かうそうだ。偉いなあ。何が偉いって、皆さんご存じの通り、お笑いは後輩の分はお金をだすという暗黙のルールがある。
これというのも、ただ先輩が損をするシステムではなくて、お金がない若手のときに先輩に食べさせてもらったなら、余裕が出た時にその分を自分の後輩に回しなさいという美しいシステムだ。ようは業界全体でお金をプールしているような、沖縄のもあい、長野のむじんのような金融システムをよりふんわりとしたものとも言える。
そんな中で、彼が後輩を3,4人連れるならば5人分のお金が必要だ。これは大変だぞお。やよい軒や大戸屋くらいの定食屋なら、5人分でも6000~7000円くらいに収まろう。これもきついが、まだいける。酒を飲むなんてなれば、最低でも15000円、20000円でも文句は言えない。

ダメ出しの順番待ちをしている中、彼が声がけをしている。おいおいお金はあるのかいと思うがまあいいや。成長に痛みはつきものだ。
彼はさすがにきついと思い始めたようだ。今度は同期くらいのお笑いさんに声をかけていく。割合を減らさなければいけない。
私も誘っていただいたが疲れがひどいので帰りたい。そして先日も言ったが、彼と食事をすると気になることが多くて疲れるのだ。「金をだせ」というならば、いくらか置いて去ることもやぶさかでない。でもそれも感じが悪いでしょう。
田川くんは若干イラついてきたのか「ノリ(私のこと)はめっちゃノリが悪いよな」とのたもうた。顔がまじである。やつがよくやる、笑いながら目は笑っていない嫌なモードだ。なんやこいつと思ったが私は大人だから「まあね」と言っておいた。大人だなあ。偉いなあ。

なんとか払う金額を下げることはできないかといろいろ考えているようだった。私は帰ることにした。疲れたから。
お金が欲しかったら、ちゃんと用途を言ってくれればいくらでもというか出せるだけ出しますよ。おっしゃってください。ただ、領収書は切ってね。

ということで家に帰ってすぐにぐうと眠った。いやあ疲れた!おやすみ!

今日面白いと思ったことは「難しい話で、自分でもたまげるくらい毎日やることがあるから、食事会なんてなかなか開けない。田川くんに任せましょう。役割分担である。おい若手たち、彼をメシに誘ってくれ!」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。