岬の青年

「この島はじき沈むだろう」
 その島の岬に立って日毎にぼやいていた青年は、島が沈むちょうどその日の朝早くにまたいつものように岬に出かけ、沈みゆく島の舳先から遠くの空をじっと眺めていたので青年はその島に住んでいる者たちの誰よりも早く沈んでいったがその島の人間は誰もそのことに気が、
つかない

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