南の島の、最後の旅
ハワイの朝はなぜか早起きだ。
窓から抜ける穏やかな風と、YouTubeから流れる「ハワイ ミュージック jazz」が心地良い。
ここハワイが最後の国。出国スタンプをあとひとつだけ重ねれば、僕の世界一周は終わる。
何回飛行機を乗ったのだろう。何ヶ国行ったのだろうと思い返して、すぐにやめた。回数なんかに意味なんてなくて、どう感じてきたかだ。
それにしても、朝のハワイの風は柔らかい。
KCCファーマーズマーケット
女の子が夢中になって鮮やかなかき氷を食べていた。弟が食べていたのが羨ましくなって、買ってもらったのだろう。この子達にインスタ映えなんて関係ない、美味いか美味くないかだ。食べたいかどうか。
キラキラかき氷をよそに、ヤシの実ジュースを飲んでみる。すべての便秘の人におすすめしたいくらいの即効性があった。この絶妙なぬるさがそうさせるのかもしれない。
とにかく日本人、日本語が多い。
「ハワイは日本の植民地でした。」なんて後輩が言っていたのを思い出す。たしかに、日本円でどうぞなんて張り紙もある。
日本人の多さにギョッともしたが、安心感のようなものもある。そうか、もうすぐ旅が終わるのだな。
そういえば、フライドトマトは別に取り立てて美味しいとは思わなかった。ジンジャーエールも、まあ普通かなぁ。スムージーと、クレープは良かった。
海がこんなに楽しいなんて
思えば、海で泳いだことなんてそんなにないかもしれない。だからこそ、ハワイの海で泳いで遊ぶことは新鮮で、それでいてめちゃくちゃ楽しかった。
エアビから借りたボディボードで浮かんでいただけだが、ハワイの高い波にはとてもよく合った。
SUPをするにも波が高すぎて、初めてのサーフィンをやるには人が多すぎて心配だったので、この日は浮かんでいるだけにした。高い波に合わせて彼女とジャンプするだけで、最高の思い出だ。
そして、ハワイの最後、旅の最後を締めくくるのは、ワイキキビーチの沖から望む、サンセットクルーズ。内緒で前日に予約していたのだ。
カタマランに乗船し、ダイアモンドヘッドの沖へと目指す。調子の良い船長はDJもこなす。飲み放題のカクテルやビールも揃えていざ出航だ。目的はもちろん楽しむことと、最高の夕陽を見るため。
日本人より、外国人が多いという口コミの船を選んで正解だった。みんなが雄叫びをあげて、盛り上がる。このノリがいい。
僕は、船が苦手だ。というより、波が苦手。
酔うのだ、まじで。これってどうしたらいいんだ。
誰か教えてくれ。写真はちゃんと顔写ってないけど、なかなかに険しい顔をしている。
それでも夕陽は美しかった。どんどんと沈んでいく。
一日が終わる、旅が終わる。
この日見た夕焼けは、いつもとは違って見えた。
世界一周、最後の夕焼け。
あぁ、終わるんだな。たのしかったなぁ。
よし、帰ろう。
一日中遊んで、つかれたから、今日はゆっくり寝よう。明日に備えて、旅を思い返して、たくさん寝よう。最後まで、何事もないように。
たくさんの人が写真を撮ってる姿を後にして、家路についた。
ハワイの夜は、随分にぎやかだ。
パッキングが得意というかスキです。