世界一の温泉?テルマス・ヘオメトリカスに行ってきた話
パタゴニアでのWルートを終え、まず思ったことそれは
温泉に入りたい!
そもそも山登りと、登山後の温泉というのはセットなのだ。これは揺るがない事実であり、家に帰るまでじゃない、温泉に浸かるまでが登山なのだ。間違い無いのだ。
そこでプエルトナタレスの宿で温泉を調べていると、なんとチリに世界一と評される温泉があることを突き止めた。その名前が、テルマス・ヘオメトリカス(Termas geometricas)。最近噴火したビジャリカ火山の麓にあるらしい。名前の凄み。あととりあえず、遠い。日本でいう感覚なら、宮崎の高千穂にいて、秋田の乳頭温泉へ向かう感覚だろうか。例だけですでにやばい。
いいもう、どこであろうと、行くしかない。温泉のためだ。自称・無類の温泉好きである自分は、ある種使命感のようにして、その場所へと向かった。
そして志してから実に4日後、ついにそのテルマス・ヘオメトリカスに入浴することができた。これはその、世界一の温泉との戦いの記録でもある。
チリの軽井沢 プコンを目指せ
テルマス・ヘオメトリカスと調べても実はあまり情報が出てこない。ましてやパタゴニアからどうやって行くのか謎すぎた。とりあえず現地へ向かうしかない。そこでビジャリカ火山の麓にある街が、プコンという街であることを知り、
プエルトナタレス
↓
プンタアレナス
↓
プエルトモント
↓
プコン
という順に移動した。
プエルトモント→プコンのバスは快適で、プエルトモントのバスターミナルでチケットを購入した。会社は、Bus JAC(発音すると犯罪臭)。2階建てバスで、弱いWi-Fiと広いシートが持ち味だ。プエルトモントからは約6時間ほどで、プコンの街に着く。
プコンは、美しい湖と、手入れされた花が咲き乱れる綺麗な街だ。富士山にそっくりなビジャリカ火山への登山や、ラフティング、釣り、カヤックなどたくさんのアクティビティのツアーがあり、チリ中、世界中から人が集まる観光地だ。
ツアー会社も多くあるので、宿のおばあちゃんに聞いたオススメのツアー会社へ向かった。
テオマス・ヘオメトリカスツアー。
愉快なおじさんがアテンドしてくれる、いい雰囲気だ。しかし、値段はまあまあする。
バスの往復送迎込みで、ひとりあたり35,000チリペソ。5,500〜6,000円くらいだ。でも、値段じゃない。こっちは登山を終らせねばならないし、なにより世界一の温泉なんだろ?ならいい。
見定めてやんよ!
という感覚で、購入。スケジュールは以下。
12:30 バス乗車
14:30 テオマス・ヘオメトリカス着
〜 温泉タイム
18:00 バス乗車
20:00 プコン着
いよいよ、世界一の温泉と対面
着いた!完全に秘湯だ。山奥すぎる。
これが、テオマス・ヘオメトリカスだ!
赤いぃ!カッコいい!湯気だ!
チリの有名な建築家が設計を手掛けたというこの温泉。さあ、中へ入ろう。
この、赤と緑のコントラストが美しい…。
リザードン…フシギバナ…初代…。
奥には、湯気が立ち込めている。いよいよ温泉が待ってるぜ!
お分りいただけたであろうか。
左にたくさんの人が水着で入っている。
すげぇぜ、温泉だぜ。ここら辺でテンションはマックスに到達。やばいはやく入りたい。
さあまず、手を入れて湯加減をチェックしてみよう!
しかしここで、衝撃の事実を知ることとなる。
**…ぬっるww **
そう、くそぬるい。ぬるいのだ。温水プールくらいぬるい。夜貯めたお風呂の次の日の朝くらいにはぬるい。
温度を見ると38度らしい。ここは真夏とはいえ山の中。寒い。いやいやこんなん風邪引くわアホか!
上を見ると、どうやらまだ続いている。ここは下の方だし、上に行けばあったかいはず!期待を込めて進んだ。
おお…さすがのデザイン。この派手な色も自然に溶け込んでいる。
進みながら、温泉は両サイドにいくつもある(15〜20くらいあった)。その全てを湯加減チェックしながら進むが、ぜーーーんぶぬるいぞ、コラ。 世界一こんなもん?
しかし、カッコいい…。これだけでもまあ来てよかったかなくらいに思ってしまう。温泉んん…。
1番奥に着いてしまった。奥までこの赤い道が全長100mくらいはあるだろうか。滝が流れていた。
サササッと見てきたが、大体ぬるいぞ大丈夫かこれ。しかし、せっかくきたのだ。入ろう。
ロッカーはこんな感じ。鍵は貸してもらえる。水着に履き替え、いざ入ってみる!
すると、意外にいい!やっぱり奥の方があったかいのだ。温度を見ると42°で、本当にちょうどいい。気持ちいい。やっと温泉だ!最高だ! やった!
硫黄の匂いはわずかにする程度で、日本のようにトロトロしていたり、湯の花が出てきたりなど、特徴は特にない。効能もわからない。ただ、気持ちいい。様々な湯船に出たり入ったりをすることにした。
こんな感じで、携帯も持ち込んでいいし、飲み物を持っていく人もいた。右奥や左側の小屋で着替えをする。シャワーなどはもちろんない。
38°のぬるいものから、46°のお湯まで見つけた!結局この1番熱い46°が1番温度的に日本の温泉っぽかった。
みんな、OMG! と、すぐ出ていた
こんな滝もあり、ユニークさもあった。6°。
熱い湯船から、だんだん低い温度に移動することで、熱が身体に溜まっていくような感じがした。最初はぬるすぎやろと思っていた温度にも最終的には気持ちいい〜と長風呂してしまった。
3時間はあっという間にすぎ、大満足のテルマス・ヘオメトリカスでした。
日本とチリどっちがいいとか比べたりする野暮なことは考えるのはやめた。どっちの良さもあるし、どっちも大好きだ。
また、待合小屋には簡単な飲食もできる。ビールやピザ、スープなどが人気。
コーヒー牛乳がないのは遺憾の意だった。
せめてフルーツ牛乳くらいはほしい
温泉は、腹が減る
こうして焚き火で暖をとったり乾かしたり
テルマス・ヘオメトリカスまでは長い道のりであったけど、本当に来てよかった。もちろん他にもこの辺りに温泉がたくさんあるのも知っているが、パタゴニアで次どうするか決めてなかった中、世界で1番ときめいたのはこの場所だった。
そうやって行きたい方向に、コンパスをフルに使って旅をするのは、やっぱり楽しい。
プコンの楽しみ方は、また明日〜。
✈︎
本日の彼女
なんともう、こんな日数になっていた。あっという間だ。楽しみは募るばかりですな。南米で待っとるよ〜。
パッキングが得意というかスキです。