旅の始まり、旅の終わり
旅には、始まりがありまして。
どんな旅をすればいいのか、
分からなくなって、
僕は君に助けを求める。
人の目なんて気にする必要なんてないのだし、
自分が思うがままに、好きに歩けばいいさ、と
君は、さらっと言うのだけれども、
せっかく旅に出るのだから、
一生モノの旅にしたいと
強く意気込み、時期をたらたら先延ばしする。
旅に出る事は、こんなにも悩むものなのか
旅に出る事は、こんなにも理解されぬのか
僕が思う旅は、もっともっと自由で
極楽鳥が舞うようなものだと、想像していた。
ただ、いくら考えても何も始まらないから、
とりあえず始めてみた。
旅は突然に始まる訳です。
これが、旅の始まりで御座います。
チリのサンティアゴのホテルのベッドでこの文章を読み、自分の旅の始まりを思い返していた。
尊敬する旅する吟遊詩人のエッセイは、日本で読んでも正直訳がわからなかったが、地球の裏側で読むとすごく染み渡るように心に入ってきた。
思えば自分も、主人公とまったく同じことを考えていた。
旅に出ることに悩み、自分の夢が応援してくれる人の夢になることのプレッシャーに、出発前日は吐いたりもした。旅は自由なはずなのに、別に誰も自分になんて興味もないはずなのに、特別なことをするという責任を勝手に負っていた。
世界一周コンテストDREAMに優勝し、「いつ行くの?」「ルートは?」と聞かれる1年間。みんなを驚かせる世界一周をしなければいけない。自分らしい世界一周をしなければならない。自分だけの旅じゃないんだ。みんなに応援されていけるのだから。
予定よりも出発はとても遅れた。
半年以上行く予定が、卒業旅行になり、45日間になった。アジアもアフリカもオセアニアも、カナダもアイスランドもキューバも行けなくかった。
それでもやっぱり、旅は自由でいい。
始まりの飛行機に乗った時の高揚感が正解だ。
今、南米のベッドの上にいる。
これが自分の旅で、自分の世界一周なんだと誇りたい。
これからパタゴニアへと飛び立つ。パイネ国立公園のWルートを達成するためだ。雄大なパタゴニアの美しい大自然を、Wの文字を描きながら、4泊5日という時間をかけて歩いていく。ペリトモレノ氷河やフィッツロイもいいけど、このWルートために地球の裏側まできた。
作家で冒険家の椎名誠。彼が世界で一番好きな街が、プンタアレナス。彼が泊まったホテルモンテカルロにも泊まれる。未来に思い残すことはない旅もできている。
旅の終わりは、まだわからない。旅の終わりがどう来るのか。松谷一慶さんのブログを読むたびに、こんな世界を見れるのかと物怖じする。みっちー(旅する吟遊詩人)の主人公を思うたび、想像がつかなくなる。それでも毎日を、旅していく。
旅をすると、観光地よりも市場やスーパーが気になる。サンティアゴのすももは、とてもすっぱかった。
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いっけーさんのブログ
http://ikeikeikkei.com/?p=2559
みっちーさんのブログ
http://inc.tabippo.net/startandend/
パッキングが得意というかスキです。