【主要レーベル編】Bandcampで買った/聴いた、2022年のCrossbreed系楽曲
前置き
2022年はCrossbreed (と、そのエッセンスを感じられる曲) 豊作の年でした!
せっかくなので、自分がdigでよく使うBandcampで買った曲の振り返り・ウィッシュリストの棚卸しも兼ねて、初めて筆を執ってみようと思います。
こちらは【主要レーベル編】と銘打ち、
「2022年のリリースがある」「代表的 (独断と偏見による) な」レーベルをピックアップしていきます。
どこから掘ればいいか分からない方や、最近のリリース追えてないなって方の参考になれば幸いです。
※100%主観で書いています!
「あれが抜けてる」「これとかどう?」等あればコメントやSNS、パーティなどで教え合えるのが一番だと思うので、そんな感じでお願いします。
ただ一応2022年のCrossbreed系って括りにしているのでUptempo貼るみたいな一発芸は控えてもらえると嬉しいです。
Crossbreedとは?な方へ
ことCrossbreedというジャンルにおいては聞き手・作り手それぞれの解釈に委ねられる部分が大きいと思いますが、
雰囲気を掴むには国内Crossbreedシーンの最前線を突っ走ってきたAvenge Trekkiesのお二人によるジャンル解説記述がオススメです。
また、Murder Channelの梅ヶ谷雄太さんが執筆されたハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編では、
当時のシーンなども絡めた興味深い内容が詳細に綴られており、こちらも是非読んでみてほしいです。
ちなみに、ジャンルの提唱者The Outside Agencyでも知られるDJ Hiddenが
「 (自分たちがCrossbreedとして打ち出す曲は) HardcoreとDnBのどちらのDJ Setに組み込んでも良い感じに機能するぜ」
と言っていた ような記憶がある んですが、これが自分の中のジャンル像と非常に近いです。
何かのリリースに寄せてFacebookで言ってた気がするんだけどソースが見つからないんだよな~。分かる人いたら教えてください。
PRSPCT Recordings
Thrasher率いる説明不要の最大手です。
過去にリリースしてきた名曲達は数知れず、2022年の今も刺激的な音源がリリースされ続けています。
年間の サブスクプラン も展開していたりするので、一生ついていくぜって方は検討してみてはいかがでしょうか。
C-Netik - State Of Emergence EP
C-Netikらしい直球Hard DnBスタイルの Anything と Caustic を収録。
200BPMの高速Hardcore Earshot と Supernova もカッコいいです。
Deformer - StereoKiller EP
当初はJungle方面ばっかりかなと予想していましたが、Hardcoreとの絶妙な配合バランスを実現した A Moment Of Violence で拍手喝采。
DJ Hidden - The Reimagineers
DJ Hiddenの名曲達が錚々たる面々の手によってDnBに、Hardcoreに、そしてCrossbreedにリミックスされた、正にマストな一枚。
個人的お気に入りでもある Signs of a Time のリミキサーDNGN DRGNSはDeathmachineとDolphinのユニットで、頭文字の D&D から 弾丸 Dungeon Dragonsと名付けたそう ( これ の1:09:30あたり) 。
Sinister Souls - Everything Hertz LP
白状するとヘビーなNeurofunkって年々掘らなくなってきているんですが、
四つ打ち風のイントロが期待を煽る Anxiety や、
Momentum 、Threshold など強烈なコラボ曲で正気に戻りました。やっぱSinister Soulsだな。
HEISA - Absence
Zion Must Know と Absence 、いずれもジャンル不詳であるからこそ
「HardcoreとDnBのどちらともつかないもの」、すなわちCrossbreedと呼んで差し支えないと思います。
Adamant Scream & Lucy Furr - Incinerate
Crossbreedファンに向けてはMeanderとの合作 Damnation やストレートなDnBの Unleashed 、
更にIndustrial Hardcoreリスナー垂涎のAdamant Screamの新曲まで収録した、全人類待望の内容です。
The Third Movement / Heresy
TTMやHeresyが入り口だった人も多いのではないでしょうか。
最近はTechno方面のサブレーベルBroken Strainも発足しており、そちらの動向にも注目です。
V.A. - Ten Years Of Brutality
Heresy 10周年を記念したベストアルバムです。
Count To Four 、Peer Pressure 、Game Tight 、Sins といった往年の名曲を惜しげもなくコンパイル。
初心者はこれを買え。
V.A. - Disciples
若手にフォーカスしたHeresy Disciplesからのリリースを網羅した1枚。
近年頭角を現しつつあるIridiumの Nuclear Attack や、同じく勢いあるNagazakiの Vanished Dream 、
HeresyオーナーのIgneon SystemがKarbydeと合作した TriggerFinger など、見逃せない曲が収録されています。
Prime Directive - Vision Noir
DarkstepプロデューサーのKatharsysと、Othercide Records (後で出てきます) のオーナーNeksによるユニットPrime DirectiveのEP。
BPM的にはかなり速いんですが、随所に散りばめられたKatharsys成分が非常にマッチしています。
RVOLT - From The Underground
いつの間にかTTM系列でよく見かけるようになったRVOLTのEP。
2曲目の The Trial がまさかの普通にDnBだったのでピックアップしました。
Miyuki Omura - Perfect Education
国内でDJ / Producerとして活躍されているMiyuki Omuraさんのリリース。偉業です。
表題曲 Perfect Education は正に踊るためのHardcoreといった仕上がりで、Crossbreedとの親和性も感じさせます。
札幌のダンスフロアで流れた時に大声出してる奴いたら自分です。
Nagazaki - Nebula
これぞNagazaki流、な感じのパワフルなHardcoreを2曲収録。
最近はDJIPEとのユニット Spare Limbsも結成するなど、ますます注目です。
Genosha Recordings
The Outside Agencyが運営し、Industrial Hardcoreが中心となる本流のGenosha Recordingsと、
Crossbreedの本格始動を象徴する Crossbreed Definition Series をはじめとした175BPMの曲のみをリリースするGenosha One Seven Five、
TechnoをリリースするGenosha Basicのディスコグラフィーが試聴・購入できます。ここを外す訳にはいかん。
Fracture 4 - Nothing Will Stay
全編通してFracture 4特有のエモーショナルなIndustrial Hardcore全開なアルバムです。
Crossbreedリスナーへは Lost 、Circle をお勧めしますが、
感情を揺さぶられる Trying to Forget をはじめとした遅いHardcoreもオススメですよ~。
Prototypes Records / Sentinels Records
打って変わって比較的新しいレーベルです。
IridiumとNagazakiをリーダーに急成長の最中にあるPrototypes Recordsと、そのサブレーベルでDnB等にフォーカスしているSentinels Records。
国内アーティストの参入も多く、知っている人の曲から聴いてみる という掘り方もできるのではないでしょうか。
The Carnage Corps - World Breaker
個人的最推し、The Carnage CorpsのEPです。覚えて帰ってください。
特に Harder がお勧めの一曲ですが、Galactic や S.F.T.U. などの高速Hardcoreにも彼ら特有の軽快さが表れており、聴きやすく、踊りやすいと思います。
666 - Total Death
手前味噌ですが5月にゲスト出演させて頂いたYatsuzaki Hardcoreで表題曲 Total Death をプレイしており、こちらでもピックアップしてみました。微かに東方っぽい。
666はSentinels RecordsからDnBもリリースしています。
Quark - No Mercy For Failure
楽曲・パフォーマンスともに唯一無二のスタイルでご存じ、国内からQuarkさんの2曲入りEPです。
No Mercy のブレイク明けの一転攻勢っぷりこそ正真正銘のQuarkbreed!
フロアで踊りたくなる直球な構成の Failure も大好きです。
V.A. - Industrial Engineers #3
クレジットから分かる通りの超豪華ゲストを迎えた1枚。
The Outside Agencyが放つ Rubin's Cube は流石の一言。
あと密かに注目してたZerberuzの新曲がElden Ringネタで笑っちゃった。
Holly - Ormtaiu
こちらはSentinels RecordsからのHollyさんのリリース。
超ヘビーな三連DnBの Pure Nothingness に加え、
表題曲 Ormtaiu はDeathstep (でいいんだよね?) となっており、彼の多彩っぷりが発揮されています。
Supire - Zest
同じくSentinels Recordsより、SupireさんのDnB + BreakcoreなEPです。
ここまでにご紹介してきたDnBとは毛色が違ってくるかと思いますが、
Calm が本当に好みどストライクな曲で、リリース直後から度々プレイさせてもらっています。
Othercide Records
著名アーティストによるHardなDnBが目白押しなレーベルです。
またHardcore方面にシフトしたサブレーベルOthercide Infernoには、StrobcoreやThe SatanといったCrossbreedファンにも馴染み深いプロデューサー達が名を連ねています。
Switch Technique - Haze EP
やってきましたCrossbreedの革命児Switch Technique!
Grim & Hostile と Demon Summoner はDarkstepの延長線上、
Jester's Walk と Cease To Exist はHardcore寄りのCrossbreedという印象です。
The Outside Agency & Prime Directive - The Othercide
レーベルの名を冠する表題曲 The Othercide 、お前がアンセムだよ。
直球Hardcoreの Pissed Off も抜群に格好いいです。
C-Netik - Odyssey EP
表題曲にしてDJ Hiddenとの合作 Odyssey は必聴の完成度。
個人的には4曲目の Infinite Corridor も好きです。黙々と踊るためだけのキック&スネア、キック&スネア・・・
Nekrolog1k Recordings
2019年に復活を果たした重要レーベルの一角。
シーン全盛期の頃との参加アーティストの移り変わりもあり (当然だけど) 、
当時ファンだった方にも新鮮な驚きがあるかもしれません。
The 3Eyed - NYMPHOLOG1K EP
ジャケット最悪すぎる。
無秩序に乱れ撃つキックが特徴的なThe 3EyedのEP。曲名まで最悪な Nekrophilian は少しBPMを落としたことで非常にダンサブルに仕上がっています。
Death - Blood Ritual EP
Deathにとって三度目となるNekrolog1kからのリリースは、
例に漏れず大量のスネアが降り注ぐDarkstepの Blood Ritual と Crypt Swarm の2曲に加え、
HardcoreアーティストBerzärkが手掛ける I Hate Life のリミックスを収録。
Mykoz - World's Edge LP
Hardezとの合作 Lost が圧倒的カッコよさで痺れました。
4曲目以降はいずれも190~200BPMの高速Hardcoreですが、その中では Danger と Never Find Me がお気に入りです。
[2022/12/18追記] Visceral - The Collapse EP
Visceral特有の特徴ある (と思っている) キックを敷き詰めたCrossbreedトラックの Collapse が年末滑り込みで登場。
更にギアを上げたい人は Society で踊り狂おう。
Future Sickness Records
設立当初からHardなDnBをメインに取り扱っているレーベルです。
一方でFuture Sickness RageシリーズではHardcore, Crossbreedも精力的にリリースしています。
KRYTIKA - Disorder EP
強烈なベースの荒波にスネア轟くDnBを2曲収録したKrytikaのEP。
いわゆるドンパンミュージックな Leak は聴いてて楽しくなっちゃいますね。
Savage - Sabotage LP
Evil Beats直系サウンドを思わせるDarkstep × TechnoidなPeter Kurtenとの合作 The Purge で幕を開ける、豪華コラボ多めなSavageのアルバムです。
The Substance 、Thchno-logik 、From Dusk Till Dawn 、Whiplash といった機能性に優れるHard DnB~Crossbreed~Hardcoreを多数収録。
Kryzys - Parasite Universe EP
Hard DnB (HardなDnBとは別) リスナーにはお馴染みKryzysの久々リリース。
Parasite Universe と Oppression どちらもシンプル故に踊れる仕上がり。
Motormouth Recordz
遅いのから速いのまでIndustrial Hardcoreを多数取り揃えたレーベル。
やはりと言うべきか、Techno方面のサブレーベルOuijaが最近発足しました。
False Idol - Precious Moments of Total Distortion
流石にCrossbreedとは離れ過ぎかなと思いましたが、False Idol名義でも 175の曲は書いてたりする ので脳内フォローリストに入れておきましょう。
※False Idol = DJ Hidden
The DJ Producer - Grasp The Heavens EP
表題曲 Grasp The Heavens は人類がThe DJ Producerに求めるCrossbreedとして完璧なアンサーと言うべき内容。
これがレーベルの100作目を飾るのは大変縁起がいいですね。
[2022/12/15更新] Syprexa - Overdose EP
執筆時点でPre-Orderだったんですけど、同氏の PRSPCTからの過去リリース が素晴らしかったこともあり、期待を込めて掲載しました。
Crossbreed感皆無だったら取り消します (諸行無常)
(ここから追記)リリースされましたが遅いHardcore × 2曲、速いHardcore × 2曲の内容でした。
流石に取り消すのは忍びないので載せたままとしますが、本稿の趣旨とは外れてしまった感じになっちゃいますね。とはいえ格好いいので是非。
Noisj
発音を教えて欲しい。
CrossbreedやHardcoreを掘っている内にいつの間にか辿り着いたって人も多そうなオランダの鉱脈。
オーナーのCarnage & ClusterもBandcampでよく曲を買っているようで、たまにサポーターの所で見かけます。
Cement Tea - G30EP
Cement Teaがたまに作るアニメサンプリングの曲がちょっと苦手なので再生するまで毎回嫌な緊張感があるんですが、
激しいDnBを土台にHardcore要素を程よくプラスした Tank と G30 のほか、
Nuclear Soup も遅インダストリアルとして普通に好みで安心しました。
[2022/12/18更新] Cause Of Death - My Definition Of Crossbreed Volume 1
ずいぶん強気だなって感じのタイトルですが、
DnB寄りのCrossbreedと、Crossbreed寄りのHardcoreが半々といった内容で、Volume 2以降にも期待です。
New Breed Skullstep はインパクト十分。
(ここから追記)
vol.2の予約 も始まりました。来年1月末のリリース予定だそうです。
以上!
ここまで読んで頂きありがとうございました!お疲れさまでした。
全盛期を過ぎ、往年の名曲が今なお根強く愛されるCrossbreedですが、
2023年には Crossbreed Definition Series Part.4 も控えている など、何かが起きそうな気配がしますね。
主要レーベルだけでも現在進行形のリリースをチェックしてみてはいかがでしょうか。
2022年も残すところあと僅か、今年の曲は今年の内に。
滑り込みでリリースがあれば随時追記していこうかと思います。
この記事で取り扱わなかったリリースについては【個人的注目編】に載せている・・・かもしれません。
拙筆ですが、こちらも読んで頂けると嬉しいです。
それでは。
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