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読書メモ:#13 アフターデジタル2 UXと自由

あくまで自分用の読書メモです。 なので実際の内容との相違や筆者の方との認識違いもあります。 ネタバレ含むので注意。

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本を読んだ感想とまとめ

近年DXやUXがバズワードとして出回っていたが、メディアや企業によって都合の良いように解釈されているのだなと感じた。
実現したい世界感(目的)をもとにUserに利便性を提供しないと意味がない。

そしてその利便性をさらに向上させるためにUserからデータを提供してもらい、還元してもらったデータを機能やサービスとしてUserに更に還元することでより価値のあるサービスを提供することができる。
価値があるから使われる。この構造が重要であることを改めて理解することができた。

この本を3行でまとめると 
・OMO = Userの状況を理解し、状況に合わせた価値を定常的に提供していく
・実現したい世界感があり、その世界観を体現したジャーニーに顧客が乗り続け、企業は顧客に寄り添い続けることが重要
・新たな顧客提供価値も見定め、集めたデータをもとにUXに還元することでUserにとってより価値が高まり魅力的で使いやすいサービスになる


商品販売型から体験提供型へ、企業競争の原理が変わる

OMO = Userの状況を理解し、状況に合わせた価値を定常的に提供していく
「便利か、楽しいか、使い安いか、楽しいか」といったUX品質が他のサービスよりも良いかどうかが重要。これらが担保されない限り、オンオフに限らず有用な行動データが貯まらない。貯まったデータを元にUXを改善し、Userに還元することが「体験型ビジネス」の成功の最重要ポイント。

バリューチェーンからバリュージャーニーへ

バリューチェーン:製品を販売するといったゴールに向かってモノを企画、生産、ファネル型での販売(認知から購入までの逆三角形のファネル)
バリュージャーニー:すべての設定が1つのコンセプトにまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が乗り続け、企業は顧客に寄り添い続ける。

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海外との比較

インドのアフターデジタル事例
GaaS(Government as a Service):国民をUserとしていかに多様化するUserに対応する行政サービスを提供するかという考え。
人口が多く民族や宗教、言語も多様なインドにおいて、政府から補助金を出すにも銀行口座を持っていない人もおり、お金を輸送していたが対象者に着くころには金額が減っていた。そもそも貧困層がどれくらいいるのかも把握できていなかった。
インド式マイナンバーを発行し、顔、指紋、虹彩認証と個人を紐付けることにより、身分を保証することができ、携帯を買うことができるようになり、銀行口座も開けるように。送金も可能になり、医療や教育など様々なサポートをが受けられるようになった。
オープンAPIで一般企業も巻き込んで浸透させたため成功した。


日本のデジタル化が遅い理由

国が方針を決め規制緩和をする際に中国と日本では以下のような違いがある。

中国:ブラックリスト方式 (やってはいけないことを決める)
日本:ホワイトリスト方式(やっていいことを決める)

ホワイトリスト方式は自由度が低いが管理しやすい。ブラックリスト方式は自由度が高くスピードも速いが社会問題化しやすく企業が潰れるリスクが高い。
また、中国は国が方針を決めると企業は国から支援が受けられやすいため企業が前のめりにチャレンジしやすい。
一方に日本は他国の事例を見てから動く傾向があり、目的よりもプロセスを重んじる傾向がある。



データはソリューションにしないとお金にならない。

集めたデータをもとにUXに還元することでUserにとってより魅力的で使いやすいサービスになる。
マネタイズするのであれば大きく以下3点に活用する

1 マーケティング・広告に活用 →Aさんがこのエリアでいつ何を買っているという情報を集めマーケティングソリューションを企業向けに提供
2 金融に活用
 → 支払い能力や消費行動を把握できるため、個人の与信管理が効率化する(信用スコアなどのんソリューション提供も可能)
3 インフラに活用
 → スマートシティへの投資や自治体からのマネタイズ

目指したい世界感とそれを実現させるための企画

新たな顧客提供価値も見定めずに、仕組みやシステムをDXしようとしても意味がない。

1 データ活用や実現性を考慮する。
2 デジタルとリアルの強みと弱みを正しく捉え、うまく繋ぎ合わせ顧客との新たな関係を作っていく
3 個社で取得できる行動データをいかにUXに活用するかが重要。

前提として、DXは自分たちがより良い未来や社会を作っていくための手法。
本質は自分たちがどうしたいかという理想や意思がない限り誤った方向に進んでいく。
事実をベースに世界との差を正しく理解して理想を見定める。

「役に立つ」=機能的便益の有無
「意味がある」= 自己実現的便益の有無

・モノが充実した時代になると、逆に意味が不足する。意味を見出すことができる人材が生き残る

・「役に立つ」市場で戦うと価値が単一のため一部しか勝つことができない。「意味がある」市場は多様化が進みモノの周りに付随する意味が重視され市場が広がるため勝ちやすい

・「意味がある」は模倣されにくい。ファミリーカー、高級カー、スーパーカーのように右に行くほど意味ができてくる。

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民間企業が社会のアーキテクチャ設計を担うことができる時代

人を動かす力、変える力には「法」「規範」「市場」「アーキテクチャ」の4つが存在する。
アーキテクチャ= 環境の設計通じて行動規定する手段(コントロールする手段 )
例)建物にドアがついていたらそこから出入りする、男性用トイレの的など
そしてUserはその各社の提供するUXを選択する自由があり、それぞれUXの集合体の上で生活を行なっている

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Userの不幸せな状況を見つける

コンセプトを設計する上で重要なのはUserの「不幸せな状況の発見」。
不幸せな状況を構造的に理解し、根源的なペイン状況を発見する。
重要なのは「状況」を「出来事」として捉えるのではなく、「こんがらがった構造やシステム」として理解する。
そこから導き出された状況をもとに根本的な不幸せな状況を理解し、どこを変えれば幸せになるかんおアイディアを出すことができる。たくさん出すのではなく、どこをどう変化させたら幸せなサイクルを生むことができるかをひたすら考える。

テクノロジーの活用

UX企画はまだAIで実現することができないため、テクノロジーでいかに人の価値を増幅させるか、いかに人の企画を支援
し、共創できるかが鍵。
ユーザーの状況を理解し、今までに無いものを追加すること、「新機能の追加」「新たなコンテンツ」「サービスの導線変更」「新しい自動化の条件」などに活用する。

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