「わかりみ」「キムタクみ」その後

以前、noteでこんな記事をかいたことがあります。

この件について、回答を見つけました。
国立国語研究所編集の『日本語の大疑問ー眠れなくなるほど面白い言葉の世界』(幻冬舎新書)という本にありました。

この本は、国立国語研究所に寄せられるさまざまな疑問に、研究所ゆかりの研究者たちが回答していく、という形式を取っています。いろいろと興味深いテーマが扱われています。

この本の冒頭のテーマが、「若者ことばの「やばみ」や「うれしみ」の「み」はどこからきているものですか」です。
これに茂木俊伸氏が回答しています。それによると

【疑問1】「やばみ」「うれしみ」などの「ーみ」はどこから来ているのか。
→従来用法(形容詞に「ーみ」を付けて名詞化する)では、付かないはずの形容詞「やばい」「うれしい」や形容詞型活用の助動詞「たい」、動詞の「分かる」に「ーみ」が付く新用法。用例はTwitter上では2007年から見られることが報告されている。

【疑問2】なぜ「うれしい」「食べたい」などを、わざわざ名詞化するのか。
→「ネタ」としての面白さを表現する逸脱的用法である。

【疑問3】名詞化するなら、なぜ「ーさ」ではなく「ーみ」を使うのか。
→若者ことばで重視される面白さや新鮮さが動機となっていると考えられる。

詳しくは、本を参照していただければと思うのですが、みなさんの納得度はいかがでしょう?
なるほど、と思いましたが、一方で、この説明では、「キムタクみ」はちょっと説明難しいですね。元々固有名詞です。さらに用法が拡張しているのでしょうか。
関連して、最近は、この「ーみ」に「味」という漢字が使われる例も散見します。「~感」「~ふう」「~らしさ」のような意味用法が出てきているのでしょうか。
もう少し、気をつけて観察を続けてみたいと思います。みなさんも、おもしろい使い方などを見たら、教えてください。