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「コートの下からセーター着た」

映画やドラマなどで沖縄の方言を聞いてから沖縄に遊びに来ると、「あれ?方言使ってない」という印象を抱く人がいます。
いわゆる伝統方言は今では若い世代はほとんどわからず(もちろん使わず)、標準語(共通語)に近い言葉で話しています。

これは何も沖縄だけではありません。
京都で「どすえ」とか言っている高校生はいませんし、店に入って「おいでやす」と言われることもありません。もしあれば、それは観光客向けのお店です。
沖縄でも「めんそーれー」と言って迎える店には、地元客はたぶんほとんどいないでしょう。

しかし、気づかない方言というのはあって、沖縄でもいくつか有名なものがあります。これまでもいくつかご紹介してきました。
そのうちの一つが、いわゆる助詞の「から」の使い方です。
なんとなく標準語でも言えそうな気がするものもあったりするので、気づきにくいと身近な人たちも言っています。

例えば…こんな表現を耳にすることがあります。
「そのニュース、テレビから見た」
「寒いので、コートの下からセーター着た」

さて、みなさんの違和感はいかがですか?
コートの下からセーターを着たというのは、足から着たという意味ではありません。「コートの下にセーターを着た」の意味です。
標準語でも許容範囲というかこういう言い方聞くよ、というのもあるかもしれません。
ネイティブのみなさんの語感はいかがでしょうか。私がこの表現を聞いたのは中年層の人たちでした。若い世代はもう使わないかもしれませんね。