普段着の京都(6)
以前、洛西用水について記事にしたときに、松尾大社の鳥居のそばには、石碑が2つあることを綴った。
今回は、もう一つの石碑について、紹介してみたい。
「義民市原清兵衛君之碑」
市原清兵衛と聞いて、「ああ、あの人ね」という方があれば、それはかなりの日本酒通だろう。
丹波杜氏の活動を守り、人々の生活を守るため、義に殉じた市原村の農民らしい。ただ、その活躍は正確にはわからず、伝承と考えた方が良いようだ。
彼の顕彰碑は、篠山城にもある。この碑には、毎年、丹波杜氏が蔵入り前に挨拶に来るとのこと。
松尾大社は、秦氏と縁が深く、古くからこの地で醸造が行われ、今も全国の醸造家からは、酒の神様として深く信仰されている。境内には、「酒の資料館」も併設されている。
このような縁から、この神社に市原清兵衛の顕彰碑が建立されたのだろう(どうやら東京に建立しようとして反対にあったというのが、背景にあるようだが)。
今日も美味しい日本酒がいただけるのは、清兵衛さんのおかげかもしれない。日本酒好きのみなさんは、松尾大社に参拝するときには、この碑を探してみてはいかがだろうか。