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「島送り」体験

みなさんは「島送り」の体験はありますか?
江戸時代じゃないし、そんな物騒な体験はあるわけないよ、という声が聞こえてきます。

でも、関西人の中には、経験者がいるはずです。
江戸じゃないの?そうです、現代の関西人にありがちなのです。
なぜなら、これは搭乗機が伊丹空港に降りられず、関空に回されることを意味するからです。

大阪国際空港、通称伊丹(ITM)は、街中にある空港で、騒音問題が大きく取り上げられてきました。このため、伊丹には、「門限」があります。それは21時。これを超えると離陸も着陸もできません。周辺住民への配慮です。
門限に間に合うようにフライトは設定されているのですが、遅延が重なると、門限に間に合わない、ということが起こります。また、21時前は、門限目指して全国の空港から飛行機が突っ込んできます。まるで、朝の登校時間ギリギリの校門のようです。
門限前の関西の空域は大混雑となり、安全なセパレーション確保のため、上空待機(サークリング)も毎日のように見られます。

待機していても、門限を過ぎて、伊丹には降りられなかった場合は、関西国際空港、通称関空(K IX)に回される(ダイバート)ことになります。人工島である関空に送られるため、飛行機好きはこれを「島送り」と称しています。

「飛行機の窓から」シリーズをお送りしている私ですが、那覇から伊丹への最終便にはあまり乗らないので、これまで奇跡的に島送りになったことはありませんでした。しかし、ついにその日がやってきたのです。
飛行機好きとはいえ、関空から目的地の京都は遠い。なかなかぐったりしました。
搭乗機の辿った道のり、お楽しみください。大阪の夜景、堪能しました。

しかし、「門限」も「島送り」も実に適切な比喩ですね。改めて身に染みて感じました。
(ヘッダーは、当該機の離陸後すぐに見た夕陽に染まる雲です)

これが「島送り」だ