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【a-106】Why型思考トレーニング 細谷功 著 読書メモ

オーディブル。
具体と抽象の方の別本。もしかしたら、古い本かも。個人的にこの方の講演を聞く機会があったので、また聴いてみた。

この本のタイトルであるWhy型思考は、確かに日本人が苦手。
元々、寺子屋とかでも論語を暗記したりしていたはずだし、もっと昔の中国の科挙試験でもベースは膨大な量の丸暗記が勉強だったはず。
ただし、その先に応用が求められ、先人の知恵の丸暗記について意見交換をしながら知を深めていたはず。

今の日本の教育の問題は、その応用部分だというのは皆少し考えればわかることだと思う。
日本人は間違ってると思うことに対してスルーできない気質がある気がする。そのため、出る杭が打たれてしまう。
根本的には、本質的に自分だけでなく周囲の総和的な幸福を望む日本人だと思うが、それが故にとも言えるけど、間違ってる相手が身近にいたら害悪になりかねないから洗脳的に正解を教え込んでしまうのかなと。

なぜ、それが良いのか?そう思うのか?を時間をかけて話しあう形を取りにくい。恐らく儒教的な思考なんだと思う。

この本の中でWhy型になるならこういう人であれ、みたいな行動指針的なものがいくつかあったけど、結局、それに対して日本人はネガティブな印象を持ってしまうということなんだよなぁと。
自分も割とWhy型寄りな気がしてるんだけど、小さい頃から、生意気だの、イチイチ聞いてくるな的なこと言われたなぁなんて。
高校時代の地理の先生が、なぜそうなっているか?まで事細かに教えてくれる先生で、地理だけは成績良かったなぁなんて思った。

VUCAの時代と言われて久しいし、こういう本の序盤には必ず書いてあるけれど、最近本当にそうなんだっけ?って思うことも。
社会が加速してるように見えるのは人間の要求レベルが高まって(本質部分はある程度満たされて)、価値が表層のレベルで求められてるからなんじゃないかとも感じる。
それと少子高齢化という人口動態による社会の維持の難しさ。これを今更出てきたかのように言ってるだけかと。
お金を稼ぐのが相対的に難しい世の中になってきた象徴なのかもしれない。

この本のエッセンスをもっと広めたいなと思える良い本だった。

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