見出し画像

創造力を民主化する 永井翔吾 著 読書メモ

新宿ブックファーストでジャケ買いした気になってた本。
帯や見開きで付録されてたフレームワークのブレイクダウン図のようなものにトレードオフの課題を見つけると書いてあり、ブレイクザバイアス的なことが整理されて読める可能性を感じた。
結果として大正解。ビジネス書は本当に玉石混淆なので良い本に巡り合えると感動するが、まさにそれ。その時の自分の状態に合うかどうかがポイントなのでどんなに良書でも合わないものはダメなのだ。
これは、恐らく日々の創造的な活動や有意義なコミュニケーションとはなんなのか?どういうものなのか?を上手く言語化したいと思っていた自分にはドンピシャだったのだと思う。
絞りすぎず、広げすぎず。ビジネスという観点、アイディエーションという観点、価値や課題という観点、広く捉えていて良かった。

本書にも出てきたブレイクザバイアスの濱口秀司さんの本を読んだ時よりタイミングとしては良かったのか、非常にミーシーに近く理解できた気がした。

そして、終盤の言葉がいくつか刺さった。

「論理的思考なき創造的思考はない」
まさにこれ。創造的思考の定義はわからないが、非常に顧客に喜ばれる示唆や提案を出す人は私の知る限り論理的。
論理的に相手の求めてることに応じて思考を飛ばしたりする。飛ばしてることも説明するし。
何より言葉などの統一や選び方を徹底的に拘っている。言葉に無頓着な人は大抵仕事できないと言っても良いかもしれないと最近思っている。

「結果を判断できなあときには、そのプロセスの正しさを確認する」
これも、そうだよね!って思った。
最近、管理職から後輩の指導的なポジションを頼まれることも増えてきて思う(昔は自分もそうだった)が、仕事を委託されてるということは、その部分的な業務においては頼まれた人が誰よりもそこに思考を割いたことになるのに、「考えてみました!どうでしょう?」ってだけを投げ返してくる人が多い。それって思考を結局全て投げ返してることになるなと。
もちろん経験の浅い人に思考の全てを丸投げはしないけど、だからって赤ペン先生じゃないんだからと思う。
そして、それをさせてしまったら本人は仕事に何の影響も与えてないことになっちゃうじゃないと。つまるところ、余計な仕事増やしてるだけだよねとなる。
逆に上にいる人たちを見るとお客さんともまずはプロセス設計の合意を取り、思考した結果をプロセスと共に説明している。
これって真っ先に部下がやるべきことかもなと思う。そうしていけば上司も、あの人に任せておけば大丈夫だなとどんどん信頼して責任を譲っていけるようになるはず。プロセスだけ最初に合意が正に重要になる。

知覚こそがAIに置き換えられない人ならではの強みであることが書いてあったが、凄く納得した。言語化出来てなかったので、それそれ!って思った。上司はよく思考をしろというけど、全然浅い人が多いと嘆いている。思考を形作る知覚こそが思考を良質にするキーポイントだったんだなと思った。
その内、このポイントはディスカッションしてみたい。

結論、みんな読んだ方がいいというレベルの良書だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?