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猫丸先輩の推測 倉知淳 著 読書メモ

少し前に読んだ古書店を舞台に様々なジャンルのミステリーを紹介していた本から、自分の好きな日常系を選び、ブックオフで調達してきた一冊。

日常の推理ものとして中々面白いシナリオの短編集だった。

中身より、気になってしまったのが文調や登場人物の言葉遣い。最初、随分昔に刊行された本なのかな?と思うくらい共感出来なかった。
後で見ると文庫とはいえ2005年初刷だし、一応ネット環境の話も出てくる。
私が中高時代までに出た本なら当時死ぬほど読んだ。恩田陸、宮部みゆき、東野圭吾、小野不由美。どれも今読んでもそんなに古さは感じないと思う。
似た感じを受けた記憶のある本といえば、ナルニア国物語くらいか。あれは古いだけじゃなくて翻訳者の言葉のチョイスがその感覚に拍車をかけてる気もするが、読みにくくてしょうがない印象を受けた記憶がある。
逆に四畳半神話大系や夜は短し歩けよ乙女みたいにそう言う言葉遣いの世界観を作ってしまってるなら読んでて楽しいんだけど。。まぁ、あれは拗らせた人感が出てるから良いのかも。

ベストセラー作家の時代感に屈しない言葉選びが凄いのかなとも思いつつ、共感・没入できる言葉遣いって大切だなって思った。
小さい頃に再放送やレンタルビデオで見てた巨人の星やゲゲゲの鬼太郎初代、鉄腕アトムなどなどのアニメも違和感あって古いアニメなんだなって思ったし。昭和感ってこういうことだよねって感じ。この本にもそれが匂った。
今見ると当初のドラゴンボールとか、らんま1/2とか幽☆遊☆白書とかめぞん一刻とかやわらとか・・・小学生時代の夕方ローカルテレビ局再放送アニメも古く感じるんだろうな。。

文庫版の書評の方も言っていたが今回のタイトルの推測という所がこの本の面白い所で、基本的に裏付けはしないし、他の可能性に言及することすらあり、なんともモヤモヤした状態のまま話が終わってしまうのが特徴的。
勧善懲悪が好きな自分としてはちょっとスッキリしないけど、シナリオやトリックは非常に面白かった。

しかし、この作家さんはまだまだ書かれてるんだろうけど、ちょっと次は躊躇してしまうかな。。

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