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ふたつめの庭 大崎梢 著 読書メモ

日常系ミステリーの積読から。
初めて読む作家さん。デビュー2006年とのことで、大御所たちが80年代とかにデビューしてるのを見ると新しく感じる。
そして、本作はめちゃくちゃ面白くて気付いたら読み終わっていた。。

保育園を舞台にした日常系ミステリーで、主人公は若手保育士の女性。徐々に時系列が進み園児の卒園で締める全体像の中で短編集となっている。恋愛要素も絡み人の心理が緻密に描かれていて素敵だった。

今回読んでいて、女性のモテへの感覚みたいなことに気づくことがあった。うまく言語化出来ないけど、今回の主人公は自分をよく見せたりするのは優先順位が低くて、人に対して真摯であることを優先するイメージ。必要以上に飾ることに意義を感じていないとも言える。
この感覚って私の主観だと男性に多い感覚な気がしていて、併せて私はこういう女性とは馬が合う。そしてめちゃくちゃ希少。
キョロ充という言葉を少し前に知ったのだが、周りを常に伺って周りに同化することで充実するという人のことを指すようで、思春期の日本人は多かれ少なかれ皆そうだと思う。
まだまだ自分の物差しが無いから。相対的に自分を測り優越感を得ることで幸福を感じるのだろう。

このキョロ充って常に不安と隣り合わせのメンタル状態だと思っていて、足るを知るという幸せの状態には程遠いのでヤバいと思う。
完全に偏見だが、テレビがキョロ充を強化したと思っていて、暇な高齢者世代と思春期世代、女性に多い気がしている。

本作の主人公のクラスのシングルファザーの元奥さんは、人から提示された理想の生活に気が移り、家族をも不幸にしてしまっていた。
一方、主人公は子供たちとの時間を大切にして得られる経験に重きを置いて、それが自分にとって理想の姿であるとブレないことで人からも信頼され、幸せを常に感じている。
偏見だが、前者の女性像が女性の中のモテとしてメジャーな気がしている。文化的な性差だと思うけど窮屈に思うし、自由になると良いなぁ。

自分は主人公のようにありたいと思うので、人によって意見はあると思うけど、何のために生まれて何をして喜ぶ?とやなせたかしも言ってるように自分の喜びは自分で見つけたいし、そういう人と関わっていきたいと思った。

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