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万能鑑定士Qの事件簿Ⅸ 松岡圭祐 著 読書メモ

継続シリーズ。
ブックカバーが2枚ついてて劇場版の特別カバーも乗っかってたのかな?
過去に多分一度だけブックオフでカバーと中身が違う本だったことがあるのでドキッとしたけど大丈夫だった。
今回は以前のフランスでの食中毒事件の時に伏線のあったルーブルのモナリザの強奪事件。

ストーリー的にはちょっと回りくどかったけど、最後の辺りはどうしても、早く結果が知りたくて読み進めてしまった。

テストで莉子が選抜されていくプロセスは凄い!って感じだけど、今回の肝心のもう1人の合格者が合格しなかったら全てなかったんだなと。
結構危険な賭けだったよなぁ。

自分は昔油絵を描いてたこともあり、高校生の時に国立西洋美術館の常設展で見たルノワールの点描の風景画に魅入られたように、なってしまったことがある(せっかく関西から関東に転職して戻ってきたのに改修で永らく休館中なのが悔しい)。
そして、自分でも色々描いていたり、さらに絵をみたり。大学生の頃に六本木の新国立美術館にオルセー美術館展が来たことがあり、そこで1つの絵にまた魅入られた。それは後に作者の出身地の美術館訪問までしてしまったアンリ・ド・トゥールーズ ・ロートレック の珍しい油絵、赤い髪の女。
本当に著者の感情が流れ込んでくるような鳥肌がザワザワ立つ経験をした。

そこから絵に対する鑑賞態度というか、絵画に感じる価値が、作者が心を揺さぶられた感情を絵にどれだけ封じ込め、現代の鑑賞者たる自分に伝達されるかに変わった。
それにはもちろんデッサンの正確さや技巧の巧みさも大切なんだろうが、そんなことは必須ではないなと思うようになった。
中世の静物画とか全く興味なくなったなと。
これって、写真や映像もそうだし舞台なども同じような感じになった。
話が長くなったが今回の莉子がやってる感覚センサーみたいなもので真の芸術品を見抜く、鑑賞するのが自分のそれとかなり同じ態度に感じたのでちょっと、嬉しくなった。
最近、美術館行くのに事前予約が必要で思い立ってぶらっと行くことができなくて行きにくくなったなぁ、今度行こう。

今作は過去作の登場人物がチラホラ出てきたり、莉子が小笠原を意識し出したり、集大成的な巻だった。それにしても、お店休み過ぎ 笑
トリックは少し現実的じゃない感じがしたし、犯人が頭いいのにバカ過ぎてペルソナとしてどうなの?って感じだし、地中海性気候が湿度が高いとか書いてあったり整合性は無さそうなので、楽しい読み物として楽しめた。

次巻は初めての事件と書いてあったので、0巻で書かれてた船の事件かな?と期待。

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