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【a-253】ハサミ男 殊能将之 著 読書メモ

オーディブル。
ミステリーもの。

精神疾患者の殺人鬼視点、何故か次のターゲットに対し先を越されてしまう。

誰が自分のターゲットを殺したのか?部外者には持ち得ない情報を元に探索していく。
この主人公はとある零細出版社のアルバイト。かなり容姿の良い女性。聞き逃しだと思うが、外から見ると違和感のある服装を選んでいるらしく、また、自分が人に好まれる可能性が頭に浮かばないほど自分に無関心。
解離性人格障害で、頭に頭脳担当の父親から出た人格、医師がいて思考の壁打ち相手をつとめる。

この犯人はなんだか上手く読者の心理的盲点をついた設定で、天才肌の立場も高い人物が気さくで上下関係に拘らない感じで立ち回る。
なんだろ、そういうキャラクターって例が思いつかなくてもどかしいんだけど、たくさん出てきて本音しか言わない信頼おけるキャラとして味方になってくれるイメージなんだけど、それが犯人てのは凄く良い設定。
そして、主人公が過去の犯行が発覚して逮捕されないのがマジで設定面白い。ちょうど1人スケープゴートがいるなんて。

しかし、最後の描写で次のターゲットが出来てしまったので流石に次はない感じもした。
彼女は、自殺志願者もどきみたいな所があり、最後は誰かに背中を押してもらえないと死ねない人のようで、捕まりたいのかもしれない。

ストーリー自体非常に面白かった。
途中で何度も描写されるワイドショーの酷さというのは、小説家に何度も何度も描かれているし、なんならドラマ化とかしてるのもあると思うんだけど、それでもワイドショーはやるし、出演する人もいるのってなんなんだろ?
この世から無くなれば良いのに。

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