映画『白爪草』スピンオフ作品「白爪草~小手毬の選択~」を見たヤバヤバ激ヤバ感想


1.前書き

これは映画『白爪草』スピンオフ作品「白爪草~小手毬の選択~」を見てやべ~~~~~~~~~~~~と思ったので感想を書こうと思って書いている文章です。
ジェットコースターのような衝撃と解釈の乱高下を繰り返しながら1周目を見たので、強くてニューゲームな状態で2周目を見ながら伏線とかを拾いつつ整理していこうという感想になります。
ネタバレだけがただそこにあるので映画「白爪草」、および映画『白爪草』スピンオフ作品「白爪草~小手毬の選択~」を見てから読んでくれると嬉しいです。

2.純粋な感想(カッコ内は該当時間)

・羊子さんの視界(0:11)
 もうじゃん!!!もう薄ぼんやりした視界とまばたきで羊子さんの視覚障害の演出してんじゃん!!!
『白爪草』、一瞬たりとも油断できないのがとてもいいですよね。

・桃井蘭の電話(1:08)
 『白爪草』に引き続き、「花組」常連の桃井さんの電話。届いた花の中に「赤いチューリップ」が無かったという。わざわざ色までセリフに入ってるな…?と思ってたら花言葉「愛の告白」なんですね!!!やってんなぁ(後述ァ)!!!
『白爪草』製作陣インタビューかどこかで「桃井には実は秘密が……?」みたいな話があった記憶がうっすらありましたが、ここに来てストーリーに大きく介入してきました桃井蘭。

・花畑カオリの電話(3:37)
 こちらも引き続き、『白爪草』の清涼剤こと花畑カオリさんの(間違い)電話。劇伴も相まって良いですよね。緊張と緩和って感じで。
その後無事にタナベさんに電話はできたのか。羊子さんの足踏みから蓄積しつつあるストレスも感じられます。

・白椿蒼との邂逅(4:37)
 お客さんに花言葉を説明する蒼を羊子が発見するシーン。結婚記念日にピッタリの花があんなことになるなんてね!!!
「花組」経営難のタイミングでこんなベスト人材見つけたら羊子さんもそう選択せざるを得ないですよね。事情知らないし。

・タイトルロゴ(5:25)
 超絶美麗展開匂題…。
出てくる流れもサブタイトルもめちゃ良いですよね。たびたび選択を迫られる羊子さんの運命やいかに。

・面接が始まるまで(7:22)
 引っ込み思案というかあまり頼られた経験のない感じの蒼と、意をくんでちゃんと面接&テストをする羊子。
 まだ桔梗先生に会う前なので『白爪草』の時より快活さのない演技なのが良いですよな。
 (紅ちゃんだったら「あ、今のすいませんは~」って言ってたんだろうな)

・花の名前テスト(8:45)
 羊子が蒼に花の名前を聞くシーン。 
『白爪草』視聴者は花の名前を聞くと花言葉が気になる呪いにかかっていると思うので、ザックリ検索すると、
 胡蝶蘭:「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」
 アネモネ:「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」「見捨てられた
 白いアネモネは「真実」「期待」
 黄色のラナンキュラス:「優しい心遣い
だそうです。へぇ~~~~~~~~~~~…………。

・蒼、合格(9:40)
 小手毬店長→羊子さんの呼び変えとかめちゃめちゃ仲良さそうじゃん!幸せに「花組」繁盛させるんだろうな~!と思ってました。1周目は。
羊子さんすぐハグする距離感すごいな。そりゃご主人も惚れるわけだよ。

・藤堂ゆずの電話(10:02)
 『白爪草』ではまさかのCパートに登場。のちに「花組」でアルバイトをすることになる藤堂ゆずからの電話のシーン。
「へー!!!」←この反応とてもよい。
ゆずちゃんの連絡先控えて何かあったらお願いするかもと言う羊子さん。もし蒼ちゃんがいなくなったら……のことまで考えての保険だとしたらぬかりないですね。

・羊子と蒼の会話(11:54)
 ここ!ここめっちゃ好き!!!
誰かにとっての現実は、別の誰かにとってみれば夢のような世界」という考え方は『白爪草』の方を見てからだとより効きますね。夢のような人生を手に入れた紅ちゃんは……。

・水揚げの説明(13:12)
 蒼に仕事を教える羊子のシーン。
花を長持ちさせるために焼いたり叩いたりまでは本当にある方法みたいですね(知らんかった)。その次が問題。
「埋めたり捨てたり」まで信じちゃうほど素直な蒼ちゃん。ここまで素直だと桔梗先生のカウンセリングでああなるのもさもありなんですね。

・本当によく切れますね(14:12)
 こえぇ!!!
よく切れるハサミを見て羊子さんの話を聞く蒼ちゃんは何を思うのか。

・仕事を教える羊子と蒼の日々(14:34)
 画面に葉っぱを横切らせて場面変更と時間の流れの経過を同時に表現するのすごいですよね。
主人に認めてもらうため店長を頑張る羊子さんがつれぇよ……この後を思うと……。

・歪んだ視界(17:06)
 蒼ちゃんが言及するとおり、負担からの疲れだと思ってました。
 そんなことはなかった(より悪い方の意味で)。

・”お姉ちゃん”(17:40)
 お姉さん気分の羊子さんVS反応に困る蒼ちゃん。
どうすればいいのよ!!!

・それ、違います(19:12)
 上手いよな~~~!!ミスディレクションっていうの!?こういうやつ!!!
シナリオの流れからしても優秀な蒼に追い抜かれる劣等感に苛まれる羊子……に目を向けさせて。まんまと気を取られました。
「私の花束ばかり売れ残る」のセリフとか自分の視覚の状態を鑑みたらまあそりゃそうだと自覚するのでは……?と思ったけど、羊子さんかなり思い込みが激しく妄信的な人物なので「立派な店長」である(と信じている)自分と実際の結果のギャップから来るタイプの苦しみなのかなと思いました。

・レジ締めと戸締り(21:40)
 公式グッズのアクリルキーホルダーここが元ネタなんですね。
『白爪草』では蒼ちゃんに戸締りを頼むセリフで登場した羊子さん。それにつながるシーンと思うと感慨深い。
羊子さんがいい店長を演じることと『白爪草』で羊子さんがいない(蒼、紅だけの)状況を作り出すことを同時にやっててここの手法も感服しました。

・珍しいこと(22:20)
 羊子さんがちょっと言及してますが、スイートピーの花言葉は「門出」だそうです。紅ちゃんの出所祝いなんですかね。

・プリザーブドフラワー(24:20)
 生きているのかも死んでいるのかも分からないプリザーブドフラワーの登場です。もともと夫婦の店だった「花組」を蒼の色が埋め尽くしていく、その皮切りがプリザーブドフラワーなのは蒼のこの後を思うと意味深長ですね。

・白爪草(26:27)
 蒼の漢字間違いが、奇しくもここでは羊子の優位性を保つ作用をした。『白爪草』との要素の関連付けが上手すぎる。すげっ。

・知らぬ存ぜぬ(30:27)
 桃井からの電話で知らされた蒼の事情、蒼本人からの相談もシャットアウトし「何も知らなかった」を貫き通そうとする羊子。
中盤だけあってこの辺の展開怒涛ですよね。『白爪草』で殺人が行われてるのになぜ羊子さんは気にしてなさそうなのか?という疑問は誰しもが抱いたと思いますが、知らんふりしてたのか!と1周目では思いました。まだひねってくるから!!!とんでもないな!!!マジで!!!

・オルゴール(32:07)
 オルゴール(昔からあるもの)とプリザーブドフラワー(新しいもの)を組み合わせる羊子。ワンシチュエーション映画とバーチャルYoutuberを掛け合わせているこの作品もある意味同じ構造だな~と思いました。
 あと入れる曲の話になったときに蒼ちゃんが提案したものが完ッッッ全に想像通りで手を叩きました。

・黄色いチューリップ(33:10)
 読解力が低すぎて羊子さんが赤いチューリップ渡したのも何か含意があるんだと思ってた……蒼ちゃんは理解(わか)ってそうなのに……
後から見るとちゃんと赤と黄色が判別できてなさそうな動きしてるんですね。伏線の忍ばせ方が忍者か???

・ただのセリ(34:00)
 急に妄想の話になるんですけどこれドクゼリだったりしません?
 
①蒼は両親を殺したことを思い出してるので、この時点ですでに裁かれるためのおかわりを画策している可能性がある。
 ②羊子さんの質問から「……ただのセリなんですけど」までに少し間がある(気がする)。
 ③セリとドクゼリの見分け方の1つに葉柄(茎みたいな部分)の長さの違いがある(参考:東京都健康安全研究センター)。34:20の映像を見ると葉柄が長い方の写真に似ている(気がする!)。
 だとしたら蒼ちゃん実行に移すまでのスパンが短すぎません?行動力の化身?


・主人の電話(35:00)
許せねぇ~~~!!!!!
土地とか建物の権利はそりゃそうだろうけども!!羊子さんが!!!頑張ってるでしょうが!!!なぁおい!!!ナチュラルに浮気すな!!!!
アネモネの花言葉が一気に回収されてしまいました。
浮気相手がスナックのママやってる人らしいってとこでさらにこじれそうなポイントも新浮上してきました。浮気相手桃井さんだったりしません?これ。背負ったはずの業(カルマ)解き放ちすぎだろ……。

・タネ明かし(38:45)
 蒼が羊子の目に気づいていたことがわかるシーン。
初見時は「あっそういう!!!??」となりました。すごい脚本考えるよな~~!無限に感心しちゃうわ。
視力に引っ張られて嗅覚も鈍ってきてるっていうのも大事ですよね。蒼の犯行に気づかない理由として。

・小手毬の選択(42:21)
 蒼に旦那の対応を任せるシーン。
ってかここ!!!羊子さん出てった後に蒼ちゃんさっきのセリ見てるじゃん!!!やるんだな!!!??今!!!ここで!!!

・翌日(43:00)
 カラオケのシーンとか登場人物の鼻歌で主題歌なんかが作中に出てくると「おっ!」となる人間の1人です。蒼ちゃんの狂い花が沁みるぜ。
 ご主人は”来なかった”様子。床のシミの演出がニクい。
シリーズおなじみのコバエ目線カメラも久しぶりで嬉しい。
からの『白爪草』冒頭シーン!!!「はいつながりまし……たッ!」って感じで気持ちがいいね!!!最高!!!もう2年前ってマジ?ヤバ。
 「紅(あか)も蒼に~」のセリフ。本当にサイドストーリーとしての完成度が高い。『小手毬』は『小手毬』としつつ『白爪草』との絡ませ方が上質すぎる。
 桔梗先生じゃねーか!

・"白椿蒼"登場(48:53)
 「おはようございます」の第一声で紅ちゃんって分かるシロちゃんの演じ分けすごいな!!!??
 
入れ替わったのに羊子さんにバレバレな紅ちゃん……愛すべき存在やでホンマ……。
 しかして、羊子さんは羊子さんで主人の呪縛から解き放たれて「今までの自分の認識がおかしかったんだ」モード。お互いにゼロ:ゼロの状態なのが功を奏しすぎている。よかったね紅ちゃん。
 今回の紅ちゃん構文。けっこうテクニカルな掛け言葉もするんですね紅ちゃん。羊子さんに笑われるのはそれはそう。
 最後桃井さんがまた電話かけてきてるのが不穏すぎる。でも普通に常連だしな……。
 羊子さんの目が完全回復したらどうなっちゃうのって!!!めっちゃ笑顔だけども!!怖いね!!!

・赤(52:55)
 赤

3.総括

『小手毬』公開にひと足先駆けて公開された主題歌「灰界」。
まだ歌詞の全貌は分かりませんが、サビの最後に「"あやなし"に生きてゆく」と聞こえる部分があります。
検索すると「文無し」と書いて「無意味だ、無駄である」という意味の古文単語が出てきます。
しかし、『小手毬』本編を見た後では「彩なし」と書く方が正しいのかなと思いました。灰色の世界ですからね。答え合わせの日も楽しみです。
『白爪草』の世界観に惚れ込んでいたので、続編という形で世界観が広がるのがとても嬉しかったです。でもまだ広がる余地ありますよねこれ!?さらに続くことを願っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
主演のもこ田めめめ様、それぞれの役を演じられたどっとライブの皆様、制作に携わられた方々、そのすべてに感謝しつつ締めとさせていただきます。

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