「駄菓子屋という存在」(2023/03/12の日記)

今日はとても精神状態がよくない!!!
こんな時に摂取すべき栄養素って、ただひとつなんですよね。

そう。『のんのんびより りぴーと 10話「すごく練習した」』です。

令和も5年、のんのんびよりをご存知ない方はいないと思いますが、一応こういうアニメです。

両親の仕事の都合で東京から引っ越してきた一条蛍は、小中併設校の「旭丘分校」に転入することになる。しかし、そこは自分を含めて全校生徒がわずか5人の学校だった。道路には「牛横断注意」の標識があり、バスは5時間に1本しか来ないほどの田舎での、一条蛍、宮内れんげ、越谷夏海、越谷小鞠、越谷卓ら分校生徒の、日々の光景を描く。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AE%E3%82%93%E3%81%AE%E3%82%93%E3%81%B3%E3%82%88%E3%82%8A

サンキューウィキペディア。

先日のフィルムレッド感想でも書いた通り、僕自身(のんのんびよりの舞台ほどではないですが)近くに映画館もないような田舎に住んでます。

意味わからんやつ「じゃあ田舎を舞台にした日常アニメなんて見る必要ないんじゃないの?」

うるせー!!!!!!!!!!!!!!!!そういうことじゃないんじゃ!!!

急にスピリチュアルな話をするんですけど、全人類に通底する、無意識化に存在する共通概念としての「田舎」のイメージがあるのって理解(わか)ります?
実際の田舎とのんのんびよりで見られる田舎ってその点で確実な差異があると思っています。美少女がいるいないとかそういうんじゃあないんだよ。わかるかな〜。わっかんねぇだろうな〜。


話を戻すと、僕はのんのんびよりの中でも「りぴーと」(いわゆる2期)の10話がめっっっっっっちゃめちゃ好きなんです。初めて見たとき泣きすぎて本当に枯れるかと思った。正直「りぴーと」最終回よりも泣いた(それはそれとして最終回もバチボコに泣いた。2位。EDフルで流すのはズルすぎる)。

まずは10話「すごく練習した」のあらすじ。

越谷家に遊びに来た宮内れんげだったが、越谷姉妹は不在の様子。諦めて帰ろうとした時、塀の向こうからひらひらと動く手が話しかけて来た!妖怪だと勘違いしたれんげだったが、隣に住んでいる富士宮このみだと分かってひと安心。ところが「わたし、妖怪だよ?」と、このみが言い出して……。そして帰ってきた越谷姉妹から、自転車の補助輪を外したのは小学1年生頃だったという話を聞き、れんげも補助輪なしで練習を始めるのだが…。

https://nonnontv.com/tvanime/story/season2/s10-2

サンキュー公式。公式あらすじはおおむねAパートの内容ですね。こっちも面白い。れんちょん(れんげ)の小学生低学年特有の純粋さとか高校生であるこのみ姉のちっちゃい子を飄々とからかう感じとかもう……もうね……。「自分にもこういう頃あったよな〜w」って思えるやつなのよ!とてもよい。

でですね、僕が本題にしたいのはBパートの内容なんです。

10話タイトルやあらすじの通り、れんげちゃんが補助輪をはずした自転車に乗れるように練習するんですが小さい子ひとりでは危ないということで、大人に見守りをお願いするんですね。
そこで出てくるのが駄菓子屋(本名:加賀山楓)というキャラです。

20歳。旭丘分校卒業生で、現在駄菓子屋を経営している。

https://nonnontv.com/tvanime/character/?individual=kaede

サン公。24歳であるれんげの姉(ねぇね)の後輩にあたる人物です。CVは佐藤利奈さん。

1期(のんのんびより無印)を見ると分かるんですが、駄菓子屋はれんげのことを赤ん坊の頃から面倒見ています。ほぼ姉妹みたいな。

自転車の練習見守りを頼まれて仕事中ながらちゃんと見てて転ぶのを心配したり、れんげが風邪をひいたと聞くや居ても立っても居られずお菓子持って見舞いに行ったりなどお母さんか?ってレベルなんですね。

それに対してれんげも小さい頃みたいに駄菓子屋に絵本読んでもらって、寝てる駄菓子屋に羽織を被せてあげたりしてて子ども特有の気遣いが心に刺さる刺さる!おじさんになるとこういうのに弱くなります。

れんげの風邪が完治したら、駄菓子屋も仕事は休みを取って本格的に空き地で自転車の練習。駄菓子屋が自転車の後ろを持って、離すという、みなさんも1度はしたことがあるであろうあの練習です。
最終的に見事、れんげは自転車に乗れるようになるんですが、そのシーン!!!

夕方まで練習していたので、夕焼けをバックに、れんげが画面左へ走っていく。自転車から手を離した体勢のままの駄菓子屋が画面右に残されて、中腰から脚を伸ばす。
この画面が実に15秒間、駄菓子屋の動きを除いて他一切の変動なく映されます。

れんげが練習を繰り返して自転車に乗れるようになったことへの余韻、それに重ねて少しずつ成長していく/大きくなっていくことに対する実感と、そうなったらもう今のように駄菓子屋に頼ることはなくなっていくのだという少しの寂しさ。そういうものを全部この15秒に詰め込んでる。アニメで、しかもこの短時間でここまで"人生"と"それを見守る者の感情"を伝えてくるか!と初見時は衝撃に思いました。

ちなみにその後ですが、後日みんなと自転車で遠くまで遊びに行く途中で駄菓子屋に寄るれんげたち。
れんげが高い棚にあるお菓子を取ろうとして取れないところを駄菓子屋が取ってあげます。
先述したように、れんげが大人になっていくにつれて頼る機会も減っていく。でも今はまだ……ということを改めて表す良いやり取りですよね。

そしてれんげは駄菓子屋に「ありがとう」を伝えます。れんちょんありがとう言えて偉いね……。このありがとうはきっとお菓子を取ってくれたことに対するものだけではないんだろうなぁと思います。

10話最後はカメラが行く道を映しながら、れんげの「うち、どこまでも行けるのん!」というセリフで締め。なんかもう、希望に溢れるといいますか、爽やかさの局地といいますか、健やかに育ってくれ!!!!!となりました。最高。


以上、のんのんびより りぴーと 10話「すごく練習した」の話でした。アマプラビデオで30日220円でレンタルできるので見てください。マジで良いから。
では。


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