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ライスカレーとカレーライスの違い

今は死語に近いがその昔「ライスカレー」という言葉があったそうだ。「そうだ」という言い方は、高度成長期生まれの僕でも使ったことがないし両親も使ってなかったからである。
ただライスカレーという人はいたし、なんでそんな言い回しをするのか疑問にすら思わなかったが、同じものであるということくらいはなんとなくわかっていた。

しかし、である。元々はカレーライスとライスカレーは違うものだったという記述を見かける。
グレービーボートに入っているルーと、平皿に盛ったライスが別々に出てくるものが「カレーライス」、ご飯の上にカレールーを掛けたものが「ライスカレー」だったそうだ。

その後固形ルーの発売などによりカレーライスが家庭でも大衆食堂でも食べられる庶民の食べ物となったことで、その呼び方の区別はだんだんとなくなり今はどちらもカレーライスになったようだ。

『北の国から』の脚本家でもある倉本聰さんが手がけたテレビドラマ『ライスカレー』(1986年放送)には、時任三郎さん演じる青年が田中邦衛さん演じる義兄に「ライスカレーとカレーライスは何が違うんですか?」と尋ねるシーンがあり、当時の若い世代にとってすでに区別が曖昧だったことがわかる。
まあ、今やインドカレーやスパイスカレー、創作的なカレーなど、色んなカレーがある時代、どちらでもいいんだが、ひとつ面白い話を思い出した。

春日三球照代という夫婦漫才師がその昔売れていた。僕が小学生の頃かなぁ、このカレーライスとライスカレーの違いはなんだというトークをしていたのが記憶にある。
「皿に盛る順番じゃない?」という部分があり、三球は「ライスカレーが本当は正解、なぜならライスを盛ってからカレーを掛ける。もしカレーライスが正しいなら、ルーを盛った上にご飯を置くとテーブルがびしゃびしゃになるじゃない?」的なトークをしていて、テレビを観て大笑いした覚えがある。
ちょうどこの頃が「ライスカレー」を使用する人がいなくなってきた過渡期なんだろうなと思われる。

その他に、「皿の左側にライス、右側にカレー」「その逆」でライスカレーとカレーライスの違いを言う人などもいる。

時代を考察するのは面白い。

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