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笑っていいとも!の思い出

今からちょうど10年前の2014年3月31日、フジテレビ昼の帯バラエティ番組『笑っていいとも!』が放送終了した。この番組の観覧に行けるのは18歳以上に限られていたが、高校生は参加できない。1995年4月生まれの僕は、この番組の観覧に応募する権利がそもそもなかったのが悔やまれる。


僕が覚えている最古のいいともの記憶は、おそらく2002年ごろだと思う。テレフォンショッキングに出ていた松岡昌宏が「サザエさんのタラちゃんはいつになったら喋るんですかね?」みたいなことをタモリと喋っていた。

いいともはお昼の生放送で、小中学生や高校生が見れる時間にはやっていない。風邪ひいて学校休んだ時や祝日にしか見れないので、見れた時はちょっと特別感があったな。でも春休みと夏休みはごきげんようとセットでほぼ毎日見れたからその時だけ特別感が薄れるんだよな。中学生の春休みはチキンラーメン食べながらいいとも見てた気がする。

見れるとしたら日曜日の増刊号なんだけど、わざわざそっちを見るほどの熱量はあまりなかったり。結局収録済みですもんね、という生放送のライブ感がないからあんまり興味湧かなかったかも。ただ唯一覚えてるのは、本編終了後のアフタートークが増刊号で流れてて、当時いいとも青年隊だったイワン&ジョンのどっちかが「ハンバーガーのセットで余ったポテトは、ハンバーガーからはみ出たソースにつけて食べます」というライフハックを披露してスタジオの感嘆を誘ってたこと。自分もそれからモスバーガー食べる時真似してる。まあ、イワン&ジョンのどっちか逮捕されちゃったけど。

あといいともを確実に見れたのは年末の特大号と、ドラマ出演者が集まる春・秋の祭典SPか。特大号はあの人数が集まるにはスタジオが狭すぎるだろと見るたび思ってたな。祭典スペシャルはアーチェリーの時にタモリがホラ貝の声マネしてたな。


小学生の頃にいいともを見てて思ったモヤモヤが、霜降り明星ANNを聴いて15年越しに晴れたことを以前ブログに書いたので、よかったらぜひ。


いいともって毎日見れていたわけでもないし、たまに見れた時に腹を抱えて大爆笑した記憶もそんなにないのに、なんで終わると聞いてあんなに寂しかったんだろうと振り返ってみたけど、「なんとなく楽しい」が安定して供給されていたからなのかなと思う。

子供の頃なんか健康情報に興味ないからおもいッきりテレビは見ないし、ニュース見ようとも思わないからワイドスクランブルは見ないし、TBS系で何やってたかあんま覚えてないし、そうなると自然と選択肢はいいともに絞られてくる。しかもタモリをはじめとした豪華なテレビスターが連日レギュラーで出てるし、生放送だから何かが起こるかもしれないというドキドキ感もちょっとある。SMAPのメンバーが出てるからといって歌を披露するわけではないし爆笑問題が出てるからといって漫才を披露するわけではない。超高度なパフォーマンスが見れる特別な場所というわけではなかった。でも日々のコーナーやトークで「なんとなく楽しい」を供給し続けてくれていたのは間違いなくて、それを無意識のうちに欲してチャンネルを合わせていたんだろうな。


自分にとって一番印象深いのは、やっぱり2014年3月31日の最終回。いつも通りの時間に始まったもののオープニングは本来特大号しか出てこないはずのタモリ牧師の説教、テレフォンショッキングゲストのビートたけしの祝辞、いいとも選手権ファイナル、ギネス世界記録症状授与、最終回でもいつも通りの「明日もまた、見てくれるかな?」コール……と、特別感満載だけど日常的な雰囲気もしっかり詰まったいい最終回だったな。

2014年3月は、僕が高校を卒業したタイミング。ちょうど翌日から社会人になるので、入社式とその後の研修が他県にある本社で行われることになっていた。その前日である3月31日に前乗りして、会社が取ってくれたホテルに宿泊する流れだった。お昼の最終回は自宅で見れたが、夜に行われるグランドフィナーレは、特に親しいわけでもない同期の社員3人と一緒のホテルの部屋で見ることになり、少々テンションが下がってしまったなw

グランドフィナーレでは、明石家さんま・ダウンタウン・ウッチャンナンチャンと普段なかなか見れない共演が実現しただけでも感動していたのに、松本人志の「とんねるずが来たらネットが荒れるから!」をきっかけにとんねるず・そしてダウンタウンとは長年共演NGが囁かれていた爆笑問題がまさかの登場!!こんなことがありえるのか!?と心臓が止まるかと思った。ナインティナイン・中居正広・裏被りが解消された笑福亭鶴瓶も合流して、スタッフの「仲良くお話ししてください」という雑すぎるカンペでトークw しばらく立ち位置が爆笑問題の二人で松本人志を挟んでる構図になっていたんたけど、あれが今でも忘れられない。しかもこの日に限っては、「なんとなく楽しい」どころか、それぞれの絡みが「めちゃくちゃ面白い」になっていた。普段のいいともではありえない空気感だけど、生放送でタモリがそこにいるからやっぱりいいともだよな、ともまた思った。

最後のブロックは現役レギュラー陣からのスピーチ。感動的な空気になるかと思いきやバナナマンと劇団ひとりのパートでグッと笑いに寄る!しれっとこのまま終わらせようとしていたタモリが笑いすぎたのか目を拭う仕草をしていたのが印象的。この時、ホテルで一緒に見てた同期が「さすがに長くね……?」と眠そうに言ってきたので、うるせえボケじゃあオメェだけ早く寝ろや!!!と思ってしまったが、さすがに言えなかった。このプレミアムな空気をいつまでも味わっていたいんだこっちは。

最後の最後はタモリ本人から感謝の言葉。誰かを泣かせようとかそういう視点は一切ない、でも笑いも交えて、素直な感謝を視聴者に伝えていた。草彅剛の呼びかけてもう一回ウキウキWATCHINGを歌った後はやっぱりいつも通りの「明日もまた、見てくれるかな?」で31年半を締めくくる。


もう終わった後、見てただけなのに放心状態でしたね。こんな豪華な共演が果たされちゃっていいのかとか、安定して「なんとなく楽しい」を供給してくれる場所がなくなっちゃう寂しさとか、いろんなものが押し寄せてきました。同じ部屋の同期も寝始めたので自分も寝ようとしたけど興奮が冷めなくて寝られるわけがない!詳細は一応伏せておくけど、豪華な共演パートを布団の中で見返しまくった。結果あんまり寝られず朝になっちゃって、入社式は睡魔との戦いだったなw

入社式の途中でお偉いさんがスピーチしてくれたんだけど、「昨日の夜、○○ってドラマやってたんだけど見てた人はいますか?」「○○ってドラマの中で描かれていたのはこうこうこういうことで…………」とか言ってて、いや昨日は何があってもいいとも見るだろ!!!!!!!!!わざわざいいともの裏のドラマ見るわけねえだろ!!!!!!!!という感情でいっぱいになってしまい話が入ってきませんでした。



というわけで以上。もうあれから10年経ったのか。最終回の日のことはいまだに新鮮に思い出せる。


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