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スト6(Steam版)におけるキーボードの仕様について

概要

ストV時代に書いたキーボード布教記事が意外と多くの人に読んでもらえて良かったのですが、スト6になって変わった点が色々とあったので改めて記事として書き残しておこうと思います。

スト6以前は格ゲーのデバイスといえばアケコン・パッド・レバーレスの3つでしたが、今作はキーボードでもほとんどストレスなく遊ぶことができます。本記事ではスト6におけるキーボード操作の仕様について、前作からの変更点を中心に説明します。


大前提

キーボードの使用が可能なのはSteam版(PC版)だけで、PS4/PS5では基本的には使用できません(文字入力等はできるかもしれません)。
以下は特に断りがなければSteam版についての解説になります。また、Nキーロールオーバー(複数同時押し)非対応のキーボードだと意図したとおりに操作できない可能性があるのでご注意ください。

ストVからの変更点

ストVではキーボードをコントローラーとして使用することがあまり想定されていなかったため、不便な点が多くありました。スト6ではこれまで不便だった点の多くが改善され、メニュー操作だけでなく対戦用のデバイスとしても使いやすくなりました。具体的には以下のとおりです。

①キーボードでの操作が簡単かつ細かく設定可能

ストVにおけるキーボード設定はキーボードのキーとコントローラー(ABXYL1R1等)の入力を対応させるというもので、実際の操作行動と直接アサインできないため不便でした。スト6ではコントローラーのボタン設定とは独立してキーボード専用のバトル操作設定が可能になりました。この設定ではバトル中に使用するボタンとキーを一対一でアサインします。
ストVでは攻撃用のボタンを8つまで設定できましたが、スト6では好きなだけ設定できます

キーボード専用のバトル操作設定が可能

また、トレーニングモードのショートカットボタンも好きなだけ設定できるようになりました。

筆者のショートカット設定。数字ボタンに色々割り当てている。
めちゃくちゃ便利。

ただし、メニュー操作に使用するキーはショートカットに設定することができません(WASD、F、ESC等)。

②マウスがUI操作&バトル操作で使用可能

スト6ではマウスを使ってUI(メニュー)の操作することが可能になりました。さらにバトル操作でも使用可能なため、「弱Pを左クリックに、ドライブインパクトをサイドボタンに…」という風に割り当てることが可能です。
割り当て可能なのは左/右クリックとホイールクリック、サイドボタンです。

実際にバトル操作にマウスを割り当てたところ

サイドボタンが複数ある場合いくつ割り当てできるか不明ですが、手元にあるサイドボタン2つのマウスではどちらも割り当て可能でした。
マウス単独は難しそうですが、キーマウで格ゲーは現実的に可能になりました。LoL勢なんかはつかいこなせるかもしれません。

③方向キー同時押しの挙動が他デバイスと統一された

ストVではキーボードの場合、左右同時押しで前優先、上下同時押しで上優先でしたが、スト6では左右同時押しでニュートラル、上下同時押しでニュートラルになりました。これはCPT規約準拠のレバーレス・パッドの挙動と同じ仕様なので、方向キー同時押しの挙動で他のデバイスと差が出ることはなくなりました。

④オフ対戦での問題が一部※解消された

スト6ではオフ対戦(コントローラー勢VSキーボード勢の場合)において、キーボード使用者が2P側でも対戦できるようになりました。ストVではキーボードは必ず1P側でしか対戦できない仕様でしたが、今作ではキーボードでも1Pまたは2Pの選択が可能です。
また、ストVではキーボード勢がオフ対戦をする際には対戦相手のコントローラーとは別にダミー用のコントローラーが必要でしたが、スト6ではゲーム内の設定を変更することで、ダミーコントローラーなしで対戦することができます。ゲーム内のOPTIONの「CONTROL」→「その他入力設定」→「キーボード単独使用」を「ON」にすると、ダミー用のコントローラーが不要になります(後述しますが、CPTのオフ大会では依然としてダミー用のコントローラーが必要)。
注意: 「キーボード単独使用」の設定を行うとキーボード以外に1つしかコントローラーが認識されない状態になります。オフ対戦会ではキーボード使用者が対戦を終えた後は「OFF」に戻しておくのが良いでしょう。

「キーボード単独使用」の設定

※もう一つの問題としてキーボード勢VSキーボード勢の場合はオフ対戦が仕様上不可能という問題が存在します。これは1つのPCに複数のキーボードを接続しても、それぞれのキー入力を独立した入力として処理できない?という仕様によるもので、ソフト側でも対応が難しいようです。どうしてもキーボードVSキーボードで対戦したい場合はキーボード入力をゲームパッド入力に変換する変換器などが必要です。

バトル操作に割り当て可能なキーについて

自分の環境で確認できた使用可能なキーは以下のとおりです。

  • アルファベットのキー(A~Z)

  • 数字キー(0~9)

  • F1~F12

  • スペースキー

  • Ctrlキー(左右別々に設定可能)

  • Shiftキー(左右別々に設定可能)

  • Altキー(左右別々に設定可能)

  • Insertキー, Delキー, PageDownキー, PageUpキー, Homeキー, Endキー

これ以外のキー(「@」や「;」などの記号キー、TabキーやEnterキー、Backspaceキー、Windowsキーなどの特殊なキー)はバトル操作に割り当てが不可能でした。割り当て不可能だけどどうしても使いたいキーがあれば、キーボードのキー配置そのものを変更できるソフト(Microsoft PowerToysのKeyboard Managerや各キーボードメーカーが出しているユーティリティソフト)を使うことで無理やり使用することも可能です。

大会での使用について

ストVではある程度大きな大会は基本的にCPT(Capcom Pro Tour)の規約に則って開催されていました。スト6でも同様に多くの大会でCPT規約が適用されると思われます。CPT2023の規約では以下のように定められています。

キーボードの利用に関する記述(最終更新日:2023年6月5日のもの)

出典: CAPCOM PRO TOUR 2023 公式規定 2023/7/31閲覧

「大会で使用するプラットフォームがSteam版の場合にのみ、キーボードの使用を認める。」とありますが、オンラインの大会であればプラットフォームの制限がない限り基本的に禁止されることはないので、この記述の対象は主にオフラインのCPT大会です。つまりCPT規約が適用されるオフライン大会かつプラットフォームがSteam版でない場合、規約的にキーボードが使用できないということです。CPT規約が適用されない大会の場合は規約的には禁止されないかもしれませんが、そもそもコンシューマー機でキーボードは変換器を使わない限り使用できません。いずれにせよSteam版以外のオフライン大会ではキーボードの利用は諦めた方が良さそうです。

これ以降はSteam版のオフライン大会を対象とした記述です。
「オフラインで開催するCPT大会群にはキーボード単体で出場できず、ペアとなるコントローラーの用意が必要となる。」これは前述したとおりキーボードの他にダミー用のコントローラーが必要であるという記述です。キーボード単独使用の設定による混乱を避けるための措置だと思われます。

「オフラインで開催されるCPT大会群で相対する双方の選手がキーボードの使用を望む場合は、・・・」これも前述したキーボード勢同士のオフ対戦ができない問題による措置です。オンライン環境が用意できる場合はオンライン対戦することになりますが、用意できない場合は両者別のコントローラーを使用する必要があるということです。

このように、オフライン大会でキーボードを使用するのは色々と難アリですが条件が合えば使用可能です。ストV時代最後のカプコンカップ(公式世界大会)はSteam版で実施され、実際にキーボードで出場した選手もいました。

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