面白いと好きと印象深い
「好きな映画は何ですか?」と聞かれたら
ラッセル・クロウの「ビューティフル・マインド」と答えます。
他にもおもしろい映画はたくさんありますけど、ずっと淡々と、悪く言えばかったるい、あの流れが好きです。
本でも面白くて一気に読んじゃったっていう本は本当に面白いですけど、ゆっくり噛みしめるように読んで、今日はここまでにしておこうって、長く楽しめるほうが好きです。
自分の中でもう一つ印象に残っている映画があります。
印象に残っている映画というより、映画鑑賞というべきでしょうか。
今から20年近く前、用事で行った所の近くに映画館があって、公開からずいぶん経って映画館で観れなかったなぁと諦めていた、チャウ・シンチーの名作『少林サッカー』がまだ上映していて、これは観るみるしかないと入ってみると1番乗り。
おお、めちゃ空いているラッキー!と待っていたら、そのままビーっと上映時間になり、
え、ひとり?
いや、映画ってここから予告がたくさん流れるから本編が始まる頃には、何人かこそこそっと、屈みながら入ってくるでしょ。
結局、誰も入ってきませんでした。
始めのうちは、どの席に座ってもいいじゃないかとか
全裸で映画観た伝説作ろうかとか
実はこれドッキリでカメラ回っているんじゃないかとか
よからぬことばかり考えて、集中できませんでしたが、
途中から開き直って貸し切り映画を満喫しました。
終わって出る時に「ありがとうございました~」って言ってくれたスタッフの人は、ひとりで少林サッカー観たんだねとか思っていたに違いない。
逃げるように速足で出ました。
人生でひとり映画館は少林サッカーだけなので、印象に残った映画のひとつです。
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