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『大人のやり直し童話①シンデレラ前編』

『大人のやりなおし童話:シンデレラ!』
★★★★★<前半草稿よー、お楽しみください>★★★後半は環境大きく変えてから!

「お母さま、どうしておなくなりになってしまったの。お母さま、お母さま。。。」
シンデレラは母の墓に行くと泣き崩れました。たくさんの涙を水溜りが洪水をおこしそうになるほど泣くと、やがて小鳥の声が耳に入るのでした。
「あぁ小鳥さん、なんてあなたの声はあいらしい」シンデレラはほほ笑み、手をあわせました。
「お母さま、泣き言をいいました。わたしにとって、涙はお母さまが死なれた悲しみにだけ流れればいいとおもっていましたのに、こうして日々の辛さに泣いてしまうことをおゆるしください。
『いいのですよ。人は泣くことがあるものです。それでまた、心にきれいな蕾を見つけて咲かせていけばよいのです』
お母さまの言葉を胸に、素敵な未来を夢見ます。お母さまのような素敵な母となる夢を」

シンデレラは屋敷に戻りました。シンデレラの母親がまだエラが小さいうちになくなって、変わりにやってきたのはいじの悪い継母でした。継母だからって意地が悪くうつったのではないかとお思いになるかもしれませんね、実際なんとも意地悪な人で人を嘲りけなして笑って喜ぶのでしたが、姿そのものはまぁまぁ好ましく、またエラの父にはことさらよく見せておりました。 
 いつの時代もこういった人たちと、的になる人たちの間には悲劇の物語の種が宿っていたのです。世々を経て現代、きっとこの種はもう撒かれず、もっと豊かな種が8面一体にまかれることでしょう、シンデレラの一歩から、そうあなたさまのおやさしさから。えぇ、『どの方もやさしさの豊かな土壌をもっておいでです』とはエラの母が言った言葉。

「ほら、そこの灰をはきなさい」「ほら床をふきなさい」「ほらあんたは灰みたいだわ。きたならしい。」「あんたが眠るのはそこで充分、今日は灰にまみれてそこで眠りさない」「娘の部屋をお掃除しなさい」「あんたに似合う洋服なんてありはしない。それがぴったりよ。あはは、灰にまみれて汚らしい」

エラの母はとても器用な人で、洋裁をうまくしましたから傍で見ていたエラもとても上手でした。ただ、お掃除はあまりうまくなくて、なぜってそれは裕福でしたからお掃除をしてくださる方がいたからですよ。

継母が来てからは、「この炊事洗濯にお金を使うなんてもったいない。ここにいるのをゆるしてあげるからせめてじゃまにならないようにおやりなさい」と。これは見方によってはきっちりしてはいますし、金銭の管理にはしっかりした人でしたが、エラにとっては大層つらいものでしょう。 
 生みの母はいろんなご本を読んできかせてくれて、それで躾もしっかりとしていたものですが、温室育ちといってもいいですから、元々お嬢様として育ったものですからね、辛さはひとしおです。一度生活のレベルを上げますと、不便のあまりもう下げることができないとはいわれていますが、若くたって同じですが歳を重ねれば尚更。ほら、ですからね結婚してからなにやかやこどものために生活のレベルを下げることの多少の苦はなるだけ平等にわけないといけないですね。

 シンデレラはお料理はうまくしたのですけれど、「もっとうまくおつくり」といわれるがまま要求のままがんばればがんばるほどケチをつけたものです。継母のあれです。それでエラが傷つくのをみて笑っているのですから意地の悪い人です。井戸端会議ではいかにエラができがわるいかを語ります。それだけではありません。「お前の母さんもきっとへたくそなんだろうよ」などとも言います。これにはさすがのエラはきれいなお顔も悔しさでいっぱいになるのでした。継母は女心が傷つくようなことを良く知っているのでした。
まぁ本当に意地の悪い人ですけれど、本当に意地の悪い人はいい顔をしているのですよ?なぜって意地悪だとの認識もないまま、意地悪の楽しさを味わっているのですからね。              

 エラは母に似て美貌の人で、洗練された陶器のように白くきめの細やかな肌に宝石のような目をしておりました。髪はふさふさと少し波打った輝く髪で歌を歌えば小鳥かと思えたものです。


父親はといいますと、それはエラが大好きでエラのことを愛してそれは愛でておりましたが、毎日毎日エラの悪口を継母はまことしやかに父親にささやいておりましたから、しまいにはエラのことを疎ましい物と思い、遠ざけるようになったのでした。

墓に行っては嘆くエラ、ある日継母は自分の悪口をいいふらされてはいないかとエラの後をつけたのでした。あぁやこうやと人に会えばいいふらしているのはほかでもない継母なのですけれども。エラは墓の前で伏せっていました。
「あの方とはいたくないわ。どうかあの方と別のところで穏やかに暮らしたい。お父様もわかってくださらない。お父様もわたくしがいなければわたくしの悪口を聞かなければならないこともないんだわ」
などと泣く泣くいうものですから、継母は怒って墓に行くのも禁止しました。もちろん父親には「わたしの悪口ばかり言っていてひどい子」とまぁこれも毎日毎日言ったものです。そうしていると、継母はすっきりしたのですよ。継母の娘よりずっと美しく素養もありますし、何せ若く美しい、ご自身にないものをもっているのですから。

 継母はエラのことをうとましく思っておりましたから、姿を見ては「これをぬってらっしゃい」「あれをあらいなさい」とよく顎を使ったものです。本当に顎をつかうのですよ。継母はそうやって命令することが楽しかったのです。まぁ偉い人にでもなった気でいたのでしょう。ほら、みなさまもだれかに偉い人になったようなきもちで命令してごらんなさい、気持ちいいと思うことがあるかもしれませんね。上であるような偉くなったような。命令が良くないと言っているのでもその快がよくないと一辺倒に言っているのではないです。だって向上心がその立場に身を運んだのかもしれませんからね。ただそれは値するかしら?などと問うのは人間の知性がなせる業なのかもしれませんね。人がもっとも効率よく動くのはお心を尊重したときと、賢いあなたならよくご存じ。

さて、「シンデレラ、水を汲みにお行き」こうきたときは、エラはとても喜びました。あぁ新鮮な空気をすえる、木々がささやくのをきける空が明るいのが見える、と。

さて、ある日のことこうして表にでたエラは、水をくみながら歌をうたったものです。
「かかさま かかさま ハシバミがわたしの前におちるとき小鳥がお城にむかったよ

かかさま かかさま 天の国 そこは お花が咲いていますか
かかさま かかさま 涙をくんで
わたしは どなたか 待っている
なにかが 起きるの 待っている

待つのもいいわ 備えるのはもっといい
待つのもいいわ 起こすことができるなら きっとそれがもっといい 
籠のなかにあるのなら 歌を歌うのが もっともいい

かかさま かかさま ハシバミが

わたしの前におちたならわたしは 
汚れた靴に別れを告げて
夢見た場所におもむくわ』

さぁそのとき大きな樫の木のうしろにはこの国の王子がいたことをシンデレラは知る由もなし。

「誰かいるの?」と振り向けばそこには誰もいやしません。そんなことが何日も続いたある日、歌を歌って水をくんでいたシンデレラは馬に乗った身なりのいい人に声をかけられました。
「馬に水をくれませんか」

えぇ、二人の目が会いましたよ。はっと二人は見つめあいましたが、シンデレラはぼろ布の恥ずかしさに、汲んだ水を手渡すとその場を去ったのでした。


それから、ひと月ほど経った、ある晴れた日のことでした。手紙が町中に配られたのです。シンデレラの家にも届きました。

「お城から?よこしなさい、まっ」

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年頃のご婦人、悉くお城の舞踏会に招待する

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ですって。さぁ準備をしなくっちゃ、シンデレラ!」

さぁこれからが準備に準備。準備に周到なのはとてもよいことですね。準備ありきです。シンデレラはあれやこれやと準備にとりかかりました。シンデレラだってちょっと楽しみだったのです。なぜって悉くって書いてありますから

後半へ


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