馬楽の時間 73

寄り道10 母校での指導
 1頭ずつ大きな輪乗りで駈歩。「手と膝と鐙でバランスをとれ」と、今まで鐙の上のバランスと言っていたのと違う指示。鐙の上でバランスをとれるようになったところで、さらに確かなバランスにするために、手を首筋に置き、膝も安定させる。初めから手と膝に頼らないようにしたい。いつまでも鐙の上でのバランスが身に付かないから。
 さあ、いよいよ駈歩。駈歩は馬が行き過ぎる不安があったようだ。とにかくバランス重視。バランスが崩れないから、馬には突っ走る理由がない。安定した駈歩。「2歩ダッシュ」「すぐ縮めろ」「2歩ダッシュ、身体を前に倒して」「縮めろ、身体を起こし鐙に乗れ」。人馬とも理解し、ダッシュの後も興奮せず、綺麗に縮まる。歩度を伸ばしフライングチェンジも出来た。     
 ここでの注意点。収縮を極端に考えない。極端に考えると、手綱を強く引きたくなる。強く引くと馬はそこにもたれかかってきて前のめりになる。頭頸がわずかに高くなれば収縮の形。鐙の上で、つまり馬の重心の位置に乗っているので、手綱を引くと馬は抵抗することなく頭頸を高くする。事実馬は歩幅を狭くする。簡単ではないですよ。練習、練習。
「手綱を全部伸ばせ」。行ってしまうんじゃないかと不安そうだったが、手綱を伸ばしたまま安定した駈歩が実現。学生たちの大満足の顔。ガッツポーズ。見学の学生たちからやんやの喝采。
 母校での指導終了。ありがとうございました。素晴らしい若者たちです。応援してやって下さい。

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