ぎりぎり生きてる

別に歌の歌詞みたいに、ギリギリで生きていたいわけではない。

死は私の長年の友だち。
いつもなんか近くに居て、
見守って引っ込んでるときもあれば

「いやいやもういいでしょうよ、
 この世界じゃなくてもさ。」

と誘われているような気持ちになるときもある。

誰かの自殺の話はほんとうに堪える。
心臓をごつごつした手でぎゅーっと
握り潰されるような感覚。

私はいつも生きづらさを抱えてる。

誰かに
「それほどまでにつらかったのか」
と分かって欲しかったりする。

昔はそれが、いじめられた相手だったり
存在否定され続けた元彼だったりした事もあった。

最後に自殺が未遂で終わったのはちょうど6年前。

4回目の病院での目覚めで、
私は死に選ばれていないのだと思った。

私が生きたいのではなくて、
死のほうが私を遠慮しているのだと。

私が死のうとするとき、
大切な家族を思い浮かべる。
きっととてつもない哀しみを与えてしまう。
だけど生きている限り、傷は癒え、
必ずいつかまた笑えるようになる。
人間ってそういうものでしょう?
でも私はもういいの。
泣いたりしたくないんじゃない。
もう笑ったりもしたくないんだ。
楽しいこともいらない。
明るい未来とか、【この先】
なんてものに、もう何にも興味がないのだ。
せめて、両親や兄妹、数少ない友だちを
大切だと思える僅かな人生を全うできた
この気持ちを思い出にして
逝ってしまいたいのだ。

大抵、この境地に堕ちるときには
とてつもなく心が疲れていて
身体中が無気力でいっぱいで、
感情の起伏が激しい普段の私からすると
考えられないほど穏やかな気持ちを味わっている。

そう、考えられないのだ。
もう考えたくもないのだ。

そしてそれでいいと心底思っているのだ。

だけど自殺が未遂に終わってからの
この6年の月日から6年前の自分に
もしも言えることがあるならと想像した。

心躍るような出来事も1つや2つ、あったよ。
胸をえぐられるような哀しみもたくさん。
問題は常に人生の進む先々で待ち受けていて、
相変わらず、うまく人間関係を築けていない。
やりたい事をやりたいだけやっているわけでもない。
それでも、なんか今日も6年前よりマシだよ。
マシになってるなって私自身が思ってるよ。

 別に
「頑張って生きていこう」
 とか
「より良い人生にしよう」
 なんて
相変わらず思ってもいないけど。
なんとなく時は過ぎるし、
季節に踊らされて
暑いだの寒いだの、桜が綺麗だの
冬の空気は澄んでるだの
うちの猫はやっぱり可愛いだのと思いながら。
死という友だちは今は
いつもよりずっと奥の、
鍵もかかっていない部屋で寛いでる。

何でそんな境地に至ったかって?
大人になっていくにつれて、
逃げられないような不必要な人間関係が
なくなったからかも知れない。
何故なくなったかというと、
離れられるようになったからかも知れない。
はっきりとは分からないけれど、
「生きてるだけで充分」だと
心から想ってくれている私の家族が居て、
その想いを汲みながら
のらりくらりと、壊れる前に逃げられるようになった。
そしてそんな自分を、好きとまではいかなくても
許せるようにはなったかな。

だからって、
自殺を容認したり否定したり
どちらかをとるつもりはない。
ちょっとやり遂げられたんだという
見送りの気持ちも正直ないわけではない。
ただ、死にたいと思ってから1年待ってほしい。
1年、のらりくらりしていいから。
全部の、【義務】だと自分を縛り付けていたものを取り除いてみていいんだよ。
学校や仕事や、生活。
何もしない為に準備をして、「何もしない」を徹底的にやってみていいんだよ。
最低限の衛生管理と、食事・睡眠・排泄を続けて
無感動のままでもテレビや映画やドラマなんかに触れたりして。
ゲームの世界に浸ってもいいと思う。
そうやって過ごすと、1年は来る。
いやでも向こうからやって来る。
その時まだ死にたいと決意していた1年前の自分をもう一度思い出してみて欲しい。
1年経ったその瞬間も、
全く同じ熱量で、同じく堅い決意で動けるのか。
私はそうじゃなかったから。
なんとか6年前を超えられた。

あなたが死ぬと誰かが悲しむとか、
人生これから、もったいないとか
そんな事は思わないし言わない。
でも、死んでると思って
ぎりぎり生きてみたら、意外と生きれる。
意外と生きられると、意外と生き続けられる。
死はそれを持っていない。
それを教えてはくれないし、感じさせてもくれない。
どうせ死ぬし、死は平等に無であり終わり。
だったら、ぎりぎりでも生きながら、
死と語らいながら、のらりくらりしてもいいじゃない。

やってみて?

と、今日も私は私に言いながら。
この言葉が誰かのなにかになればと思うのです。

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