ノックは3回

貴方とは無理だから
そう言葉にしようと
もう既に決めている
決めさせたのは貴方

再度試みて数年経つ
だけどやっぱりそう
押し殺すができずに
積もり重なったモノ

まるで離婚前の夫婦
嫌なことだけが残る
目新しいものだけに
興味を注ぐ夫へ告ぐ

日々の暮らしを守り
すべきことを熟した
妻からの最後のそれ
もちろん顔など見ず

発動したらそれにも
発動相手にも感情は
なくていいと決めた
任務を終えたいだけ

戻りたくはないから
むりくりに一歩出す
そうすることは正解
それはまだ解らない

すべきを熟すだけと
聞こえてくる声は誰
退職届を手帳に挟み
社長室の扉をノック