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4か月迷って、のたうち回って閃いた「となりのクラスのアフリカ組」

【生駒小学校6年生がアフリカの問題を自分事で考えるSDGsの探求学習「となりのクラスのアフリカ組」プロジェクト】 
本日プレスリリースを出した。


4か月くらい、のたうち回った。
何が苦しかったかというと「となりのクラスのアフリカ組」というタイトルを生み出すこと。

SDGsを子どもたちが自分ごとに

6月頃、小学校の先生から「今年はSDGsに取り組みたい。児童に自分ごととして地球の課題を考えるようになってほしい」とご相談を頂いた。
緊急事態宣言で学校のスケジュールが大幅に変更になり、それでも時間は確保してくださり、頻繁にやり取りをしながら進めてきた。

コンテンツ(教材)は私の中ですぐに浮かんだ。
■ほぼ日のアースボール使おう!
■生駒市の喫茶イレブンの焙煎士さんにフェアトレード商品を話してもらおう!
■アフリカ・ササカワ財団の職員(前々職の同期)に農業支援を語ってもらおう!
■アフリカの同級生とオンラインで交流しよう!
などなど、10個くらい先生に提案をした。

苦しかったのはここから。
なぜ、私がこれらのコンテンツ(教材)が良いと思ったのか、説明をしなければならない。
そして、すべてのコンテンツを通して子どもたちにどんなメッセージを伝えたいのか?を言語化しなげればいけない。

絶対良い!っていう自信はあるが、シンプルに伝えられない。

SDGsってそもそもなんだっけ?

「私は児童にこの授業でどんな問い、どんな気づきを与えたいのか?」
「いや、そもそもSDGsってなんだ?色々見聞きして分かっているようで、実はあまり私自身分かっていないのではないか?」
あえて、ゼロからスタートしてみた。

図書館に行って、本を読んだ。
学研の図鑑ミュージアムに行ったり、科学未来館に行ったり。
マンスリーサポートを継続的に続けているユニセフにお電話してお話を聞いたり、エチオピアの方とオンラインでお話したり。
生徒にアンケート取ったり、SDGsfor schoolの認定研修に応募したり。
大学でESD研究をされている先生に相談したり。

情報は入れるだけ入れた。教材とも向き合った。
次は自分と向き合う時間だ。

私が一番心がざわついて体が動いたのはどんな時か?

ペンとノートを前に一人で目を閉じて考えてみた。
私はこの数か月SDGsについて調べる中で、どんな時に身を乗り出したか?
何が起こった時にもっと知りたいと思ったか?

私の唯一無二の価値は「子どもの感覚を持ったまま大人になっている」こと。私がワクワクしないモノは子どもたちもワクワクしない。
だから私自身の感情と行動を振り返ることにした。

一番の衝撃は「インドのスラム街に住む10代の女の子たちが水の配給に並ぶ時間を減らすために水配給シフトを組むアプリをスマホで開発した」という事実。

並ぶ時間が減ったおかげで、勉強する時間が増え、勉強を共有するアプリも作った、と。

私は「貧困国の子どもたちは助けてあげなければならない人」で、まさか「自力で課題解決できる人」だと思っていなかった。スマホを手にしていることも知らなかった。
想像以上に上から目線の自分と、イメージばかりでリアルを知らなかったことにショックを受けつつ、同時に「めちゃくちゃかっこいいな」と思った。
この女の子たちに会ってみたい、話を聞きたいと強く思った。

「すごい!カッコいい!」で心の距離はグッと近づく

子どもたちにも、こんな風に思ってもらいたい。
どこの国にも課題はあるし、大変なこともいっぱいある。でも、それだけじゃないはず。現地で課題を解決している人たちもたくさんいるし、私たちにはなくて、その国の人しか持っていない技術、環境、想いなどが必ずある。

違いはcoolで、その感情が「もっと知りたい!友だちになりたい!」という興味を掻き立てる。その土台があれば「力になりたい」は自然とわき起こるはず。

私が提案したどのコンテンツも「面白い」「かっこいい」「すごい」という側面も見せることができる。
だから私はこれらを選んだんだ。
とてもスッキリした。

となりのクラスのアフリカ組

最後にタイトルだ。
ここに1ヵ月くらいかかった。
他の仕事をしている時も、我が子と遊んでいる時もずーっと考えていた。
カッコいい言葉や流行りの言葉を並べても、なんだかしっくりこなかった。

悶々としていた時、息子がびしょ濡れで学校から帰ってきた。
「今日さ、となりのクラスのあんまり知らない子なんだけど、傘なくて困ってたからさ、貸したのよ。俺、足早いし家近いし濡れるの好きだし」と、なんだか誇らしそうに、嬉しそうに。

「となりのクラスの」という距離感がすごくしっくりきた。
地球を一つの学校だと捉えたら、国はクラス。各クラスで一緒に学校の問題を解決するって当たり前のことだよな。となりのクラスで困っている子がいたら、友だちじゃなくても、普通に助けるよな。そんな距離感で世界と繋がれたらとっても素敵だな。

「困ってたら助けたくなるし、自分が困ったら助けを求めたくなる。」
生駒小学校6年生が卒業する時に、そんな風に思えていたらいいなーと希望をもちながら、半年間先生たちと一緒に授業を進めていきたいと思います!







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