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無知の知

ある日、ソクラテスは思いました。自分に知識が無いということを自覚している自分は、少なくとも、この人よりは知識があるのではないか、と。

ある日、私は思いました。オーケストラで用いられる打楽器に「鞭(むち)」というものがあるんだけど、なんでムチなの?、と。

鞭といえば、ゴール前でお馬さんのお尻をペシペシするやつ、

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や、サーカスの猛獣使いがライオンなんかの前で振り回すやつ、

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や、ハリソン・フォードが持ってたやつ、

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や、「あ゛あ゛あ゛~~~、、、にしおかぁぁ、、すみこダヨォ」のやつ、

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なんかが思い浮かぶんですが、違うんですよ、全然。実際はこんなやつなんです。

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細長い二枚の板の短辺の片方が蝶番になっていて、開いてから勢いよく閉じると「パチン!」というキレの良い音が出ます。確かに、ドイツ語でもフランス語でも鞭っていうんです、英語ではslapstickっていいます、平手打ちの音に聴こえるからでしょうね。

いずれにしても何かを思いっきり「ピシッ!パシッ!」って叩く音に聴こえるからなんでしょうけれども、私はどうしても「鞭」と聞くと、いけないアングラなイメージしか浮かばないのです。不純だからですね、きっと。

ということで、私の好きな「鞭」が登場する3曲です。


①赤穂浪士【芥川也寸志】
以前の記事で紹介した曲です。各小節の2拍目に打ち鳴らされています。これだけ活躍する曲は他にはないのではないでしょうか。


②カウボーイの休日【コープランド】
もともとは「ロデオ」というバレエ音楽です。そこから演奏会用の組曲として後に4曲に編纂したもののうちの1曲目です。


③チェロ協奏曲第2番【ショスタコーヴィチ】
たった2回だけ打ち鳴らされますが、敢えてどこで鳴らされるかは書きません。私はこの半狂乱的な部分が大好きなのです。

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