イルムガルト・ゼーフリート モーツァルト『夢に見た姿』K.530(1950)
SPレコード最終期(LPレコードの生産は既に始まっていた)1950年11月18日にロンドンでレコーディングされたイルムガルト・ゼーフリート(1919-1988)のモーツァルトのリート『夢で見た姿』(詞:ヘルティ)。
ピアノはかのジェラルド・ムーア。
1940年にデビューし、1942年にはオペラで主役を務めるまでになっていたゼーフリートだが、フルトヴェングラー、ベーム、カラヤンなどに寵愛され
一躍ウィーンやザルツブルクのスターとなったのは戦後のこと。
レコード録音もLP時代になってからのものがほとんどだが、この『夢に見た姿』を始め、何曲かのモーツァルト、シューベルトのリートを録音し、SP盤としてリリースされている。
『夢に見た姿』は晩年のモーツァルトらしい、澄み切った旋律が美しい曲だが、詞は自分の前から姿を消してしまった恋人を探し求める、随分と悲しい内容。
ゼーフリートの凛としたそして仄かなぬくもりを感じさせる歌声が心に響く。
HMV-102で再生。
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