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シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.5〜マイヤー・ゴードン『スラヴ舞曲第2番』(1925)

ロンドンで主にBBCに関連する演奏活動を行っていた、という以外、詳細不明なヴァイオリニスト、マイヤー・ゴードン。

彼が1925年8月24日に録音したドヴォルザーク作曲(クライスラー編曲)の「スラヴ舞曲 ホ短調」作品46‐2。
おなじみの1曲のお馴染みのアレンジ。

テクニックだけでは語れない 実に味わいのある演奏。

c/wはヴィエニャフスキーの「スケルツォ・タランテラ」だが、この技巧を見せつけるためのような曲を、そう思わせないように弾こうとしているゴードンの姿がそこにある。

テクニック至上主義的ヴァイオリニストが持て囃された時代にあっては、逆に貴重な存在だったのでは?
パラドシカルに言えば、だから「知られないヴァイオリニスト」になったのかもしれない。

1912年ポーランド製シレナ蓄音機で。

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