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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #129~栗原氷川神社例大祭×ブルーノ・ヴァルター G.マーラー『交響曲第5番 "Adagietto"』(1938)

2023年9月17日。
自宅最寄駅から帰路の途中、栗原氷川神社の例大祭に遭遇。

ここは神楽殿があったり、大晦日から元旦にかけてのライトアップが、幻想かつ幽玄な感じで心に染みたり、ちょっと気になるスポットだった。

この日は仕事帰りに櫓を囲んで踊る人々と、思い思いにお祭りを楽しんでいる家族連れなどを見て心が和んだ。

一応動画を撮っておいて、何かそれにマッチするクレデンザ蓄音機で再生したSPレコードの音源がないか?、としばらく思案して出来上がったのがこちらの動画。

映像を1/4スピードのスローモーションにして、そこに1938年1月15日にセッション録音されたマーラーの「交響曲第5番」の第4楽章「アダージェット」を加えてみた。

演奏はブルーノ・ヴァルターとウィーン・フィルハーモニカー。

この演奏はナチスから徹底マークされ、身の危険を考えヨーロッパ大陸から新大陸に渡る直前に録音された。
言わば『ワルター、ヨーロッパとの惜別の歌』。
翌日にライブ録音された同じくウィーン・フィルとのマーラー「交響曲第9番」と共に、この歴史に翻弄された、しかし性善説に則って生きた大指揮者の偉大なる芸術である。

ヴィスコンティの映画『ローマに死す』で使われ、CD「カラヤン・アダージョ」で再ブームを巻き起こしたその耽美な世界と神社の踊り、マッチングは如何に?


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